十年くらい前、友達だった先輩が自動車事故で死んだんだけど、それから一週間くらいした夜中の1時頃、3歳年上の姉の部屋から話し声がしたんだよ。(その頃は実家に同居だった)

テレビでも観てんのかと思ってその時は気にしなかったんだけど、次の日、オレが仕事が遅くなって夜中の2時くらいに帰ったら、また姉の部屋から話し声がしたからテレビ付けっぱなしで寝てんのかと思ってノックしても反応がなくて部屋に入ったらだーれもいなかったんだよ。

アレっと思ったんだけどその時は聞き違いかと思い、姉も夜遊びでもしてんのかと思って自分の部屋に入って寝よーと思ったら、姉の部屋が開く音がして、明らかに人の足音が廊下でしたんだよ。
3分前にオレが見たとき、確かに誰もいなかったハズなのに・・・。

本気で恐怖ってヤツを実感して、どーしても廊下に出れなくて、その日は布団被って寝たんだけど翌朝、姉の部屋に行ったら普通に寝てんだよ。
で、無理やり起こして「昨日どこ行ってた?」って聞いたら、どこも行ってないって言うし、「夜中に廊下に出たか?」って聞いても出てないと言うんだ。

で、「昨日お前(姉)はいなかったし、2時頃に廊下に出る音がした」と言ったら、平然と「あぁ、それは◯◯だ」と死んだ先輩の名前を言いやがった。

その時まで全然知らなかったんだけど、俺の姉は見える人だったらしく、死んだ翌日から毎日来てると言うんだ。

「お前は死んだ人と話ができるの?」

姉にそう聞いたら話はできないから、「あぁ、いるなぁ」と思うだけで姉は全然気にしてないらしい。

「でも確か、昨日2時頃お前いなかったぞ」と言ったら、「昨日はいつもよりしつこく居たような気がしたけど寝ちゃったから」と平然としてる。

その時思い出したんだけど、死んだ先輩は奥さんも子供もいたんだけど、一緒に飲みに行った時、酔って俺に「ホントはお前のネーちゃんが好きだったんだけどフラれた」と言ってたことがあったんだよ。

その時はウソかと思って聞き流してたんだけど、姉が言うように、死んだ翌日から毎日来てるってのが本当ならよっぽど未練があったのかなぁと、最後はしみじみした出来事でした。