霊感とかそんなもん無いと思うが、実体験を書いておきます。
というか僕と友人の話しなので、どちらかというと友人の方が霊感みたいなものがあったんだろうと思います。

6年前の冬12月27日か28日だったか、その日の昼は仕事場の年末大掃除を終えて粗大ゴミやら古雑誌なんかをゴミ置き場に出しに行った。
その時、ふと目の端っこに何かが見えた気がした。
よく見ると古いっぽい桐製の箱が捨てられていて、中身がなんとなく気になりフタを開けてみると、白い薄紙に何重にもくるまれたキレイな青っぽい石で出来た玉が入っていた。
ひょっとして値打ちのある物かもと思いゴミの中からその箱と石を持ち帰った。

夜家に帰って、部屋に飾ろうと床に置いてあった箱を持ち上げると、昼間よりも重く感じた。
おかしいな?と思い中の石を取り出そうとした瞬間、ビリっというかバチンと静電気?のような衝撃が手に感じた。
その時は静電気としか思わなかった。

反射的に手を引っ込めてもう一度石に触ると静電気は無く、なぜか温かい感じがした。
取り出すと青っぽかった石が真っ黒になっていた。
昼間明るいところで見るのと部屋の暗い白熱灯の下では見え方が違うのかなと思ってました。
それから石を手に持ち光にかざしていたら、携帯電話が鳴った。

久しぶりに友人Aが近所のバーで飲んでるから来ないかという。
珍しいこともあるんだな・・・あいつと飲んだことあったっけ?と思いながらも、懐かしさが勝ち、誘いにのってバイクで5~6分くらいのところにあるバーへ向かった。

23時くらいから飲んで夜中の3時くらいまで懐かしい話しと、馬鹿話で盛り上がった。
二人ともかなり酔っぱらっていた。

帰りがけにAが「やっぱ今日オマエ誘っといてよかったわ。これに懲りずに付き合ってや」と言ったので「当たり前やん!いつでも誘って、誘って」といって別れた。

酔っていたがそのやり取りだけはなぜか鮮明に覚えている。

その後バイクで家に帰るのだがその道中は覚えていない。(警察の人ごめんなさい、家に帰れたことが奇跡かも)
家に帰って即ベッドで寝たのだろう。
朝起きた時は服はそのまま、カバンも肩からかかったままでなぜかジーパンだけは脱いでいた。
ふと脱いでいたジーパンを手に取ると、ドブにでも浸かったかのように黒く汚れていて「うわっ」と思い、ジーパンを手放した。
バイクでコケてドブかどこかに落ちたのかな?と体の異常を探す。
すると、すぐに異常は見つかった。

右手(腕から肩)が上がらない。
例えるなら鎖骨の間の神経通ってる部分をものすごい力で押さえつけられてる感じ。

無理をすれば激痛が肩から下に走る。
変な寝相だったかなと思いつつも、今度はガレージにバイクを見に行ったが、バイクはまったく無傷だった。
ということはコケテいないということらしい・・・でも痛い。

親に話すと病院に行けということで、自転車に乗り(片手運転)救急病院へ。
レントゲンやMRIやらの検査をしたが、全く異常はなかったし、医者からは「ホントに痛いの?上がらないの?」と聞かれたが痛いもんは痛いし、上がらんもんは上がらんとちょっとした押し問答になる始末・・・。
家に帰ったら姉ちゃんに「何かに取り憑かれてんちゃう?」との一言で無性に昨日拾ってきた石のことが気になりだした。

最近で変わったことといえば、昨日石を拾って来たことくらいだった。
そういう幽霊とか、超常現象とかは全く信じてなかったが、なんとなく石が気になって仕方が無かった。
急いで部屋に戻りこの痛みは石のせいだと強く思うようになっていたて、机の上の石を見ると、黒い透明?になり中が真っ赤になっていた。
それを見て背筋がゾクッとなった・・・。

姉ちゃんにこのことを言おうと部屋を出ようとすると体がうまく動かなくなった。
足も動かない。

「金縛りか?これが?あれって寝てる時やろ?」と初めてなる金縛りに焦りまくった。

そん時不意に「やっぱ今日オマエ誘っといてよかったわ。これに懲りずに付き合ってや」というAの声が聞こえた。
聞こえたというか、頭の中で響いて何回も言葉がぐるぐる回ってた。

そのうち何かぼーっとなって、ふと気づいたら部屋の床で寝ていたらしく、夢か?何だったんだろうと考え込んでいた。
咄嗟(とっさ)に机の上の石を見たが真っ黒で昨日の夜といっしょだ。
何か急に怖くなり、その石を処分しようと考えた。

晩飯を家族と食べた時も昼間のことは言わないことにした。
どうせまともな答えが返って来るとは思えないと思ったから。

夕食後すぐに部屋に戻り石をどうしたものか考えた。
とにかくここには置いておけない。
元の場所に捨てに行くか、適当なところに捨てるか・・・?

なんとなく元の場所に戻す方が良いと判断し、明日仕事場のビルのゴミ捨て場にいくことに決めた。
それから風呂に入って寝ようと思ったときに家の電話が鳴った。
友人Aだった。

「今日暇やねん、昨日行ったバーで飲もうや」

おいおい、昨日も飲んだやん、と思いつつも別にすることもなく寝ようと思ってたからOKした。

「オマエもたいがい暇やな。でも俺今日起きたら右手上がれへんくって、バイクでは無理やわ、自転車でいくわ」と返事し、「うそ!怪我したん?原因わからんの!大丈夫なん?そら大変やな、ほんじゃまた今度にしようや」とAは言ったが「ええよ、行けるから」といくことに。

距離的にも行けないこともないし、片手がちょっと慣れてこともあって難なく到着。
年末だからかバーに客はAしか居なかった。

僕「でもそういやオマエ、何で家に電話したん?携帯にくれたら良かったのに」

A「ひっさしぶりやなーしかし、元気しとったか?って手上がらんねんなw、つうかオマエの古い番号しか知らんし」

僕「アホ、何言うてんのん。今日やん別れたん。今日。まだ酔うてんのかぁ?w」

A「今日て?。何言うてんの?オマエ、今日なんか会ってるわけないやん」

僕「昨日から今日という意味や。もうえぇって!とりあえずチャリんこ片手運転して来てんから、ビールくらい飲ませろや」

A「わけわからん、久々に会ったらキモさ爆発やなオマエ」

僕「おっ!とりあえず。何かわからんけどお疲れー!」

僕「つうか、昨日の帰りのこと全然覚えてないねんけど、オマエちゃんと帰れた?」

A「オマエな、さっきから何キモいこと言ってんのん?頭おかしいんちゃうか?」

僕「◯◯さん!(マスターの名前、以下マ)昨日こいつと俺来てたやんな!」

マ「いや、二人とも来てへんかったよ」

気になって携帯の着信履歴をみたが昨日の着信は3件。
その中にAの名前はなぜか無かった・・・。

というかマスターいたっけ?と自問自答。

A「あ~ぁ、こいつの嘘バレバレですよね~」

僕「ちょ・・・嘘ちゃうって」

と昨日の状況を思い出そうとしたが、なぜかどうしても思い出せない。
かろうじて覚えているのは「やっぱ今日オマエ誘っといてよかったわ。これに懲りずに付き合ってや」という言って別れたこと。

A「俺そんなん言ってないし、夢ちゃうん?それ、夢やって。ああ夢、夢」

僕「いやそんな事無いって、でも全然思い出されへんねん。何でやろ?」

A「オマエ一回病院行った方がいいんちゃう?記憶ないって何か怖いやん」

僕「ちょう待てって。じゃあオマエの言うことがホンマやとして」

A「俺はオマエの携帯番号も知らんし、昨日オマエと飲んでも無い。というか大阪におらんかった。証拠もある」

といって福岡市にあるホテルの領収書を見せてきた。
日付は今日の午前チェックアウト。

「どうなってんの?これ」、俺頭おかしくなったんかな?と思い整理のつかない頭で、「うおー!思い出されへん!」ともがいてる時、Aが突然言い出した。

A「ちょっと真剣に聞いてほしいねん」

Aはちょっと寂しそうに話した。

A「明日な、◯◯(Aの弟)の命日やねんな?でやな、何かしらんけどお前らの夢を見たわけよ。で、懐かしくなってというか、まあ後で言うけどオマエに会わなあかんと思った。弟死んだん5年も前のことやからオマエは忘れてるかも知れんけどな、昔はよう遊んだな悪さして。あの日な俺、弟死ぬんなんとなく知っててん。これは後やから言えることかも知れんねんけど、何かな、俺昔から知ってる人とかの夢を何日か立て続けに見ることがあるねん、何か最初は白黒やねんけど、途中からセピア色というか真っ赤に変わって行くねん。その後、その人にあんまり良くないことが起きるような気がするねん。怪我とか、あと、死んだりとか・・・。で、弟の時も1週間くらい前からそういう夢見てて(弟の夢)、偶然かも知らんけど弟の時も真っ赤になってん。その後あいつ死んでもうた」

僕「死ぬんがわかる?んなわけないやん!オマエもうちょっとマトモな嘘付けって!言っとくけど俺のは嘘ちゃうで!」

マ「いや、死期がわかる人っておるらしいで。俺の連れもそんなこと言ってた奴おった。そいつのオカンもそういう人やった」

A「まあ、おれがそうかどうかは知らんけど、結果そうなってしまったんや」

僕「まあええわ、で?その死ぬんがわかる夢って」

A「そう、昨日見た夢や、いきなり3分の2くらい真っ赤やった、正直こんなん初めてやしどうして良いかもわからんし、とりあえずオマエに会いに来たっちゅうわけや。詳しく言えば何か草原みたいなとこにオマエと弟がいて、その草みたいなゆらゆらした地面が真っ赤やった。ちょうどこれくらいかなぁ」と膝下位をさした。

A「だいたい赤い夢見る時は、白黒からジワーってゆっくり変わって行くんやけど、いきなり赤いのは見たことないからびっくりしてん」

僕「俺どないかなるかも知れんってこと?この手かな?」

A「それはわからん、そうかも知れんし、違うもんかも知れん」

僕「死ぬかも知れんということ?」

A「わからんねん、そればっかりは」

僕「でもな、いきなりそんなん言われても、信じられるわけないやん!」

そんなやり取りをしてるとAが泣きそうな顔で言った。

A「その夢にな、俺もおってん」

僕「俺と弟ちゃうんか?そんなん最初に言わんかったやん」

A「言うたら死ぬんちゃうかと思って、言えんかった」

僕「そうか、俺は死んでもええと、オマエ最悪やな」

A「死ぬとは決まったわけじゃないって、ただの夢やし」

僕「そうやな、ただの夢でギャアギャア言うなよwシャレにならんでほんま」

実は僕はかなり怖かった、ただAの出来の悪い夢を笑うしかなかった。
でもそれは笑えないことだと思い始めた。

頭の中がむちゃくちゃになって来た。

昨日僕はAと会ったのか?会ってないとすれば一体誰に会ったのか?というかどこに行ってたのか?AではないAと?

携帯の番号も知らない、バーにも来てない、Aの見た赤い夢、膝下が赤く染まる夢、今朝見た膝から下がどす黒く濡れていたジーパン。

一気に押し寄せて来て頭が痛くなり、耳鳴りもする。
今はもう何も考えられない、無理だと思いもう帰ると言うとAが送って行くと言い出した。
それを僕は断った、なんとなく嫌な気分になったから。

Aと僕はバーを出た。
Aはまだ何か言いたそうにしていたが、構わずに自転車に乗った。

Aは最後に「気をつけて帰れよ」と言った。

僕は「オマエ、人の事言えへんねんで」と言った。
笑うと思ったがAは真顔でうなずいた。

僕はすぐ目を逸らした。
何か分からんけど嫌な感じだった。

自転車片手運転で家に到着。
到着するなり、誰かに後ろからドンと背中を押された感覚になった。
その直後携帯が鳴った。

後ろを振り返ると誰もいなかった。

電話はAだった。

僕「何?どうしたん?」

A「どうしてるかなと思って」

やたら元気な声にさっきのは、嘘だと直感した。

ふざけてるのかとAに何か言ってやろうと思った。

僕「何が、どうしてるって何?」

A「大丈夫か?」

A「昨日さあんだけ酔っぱらってたやん2人共」

僕「う、うん・・・で?」

A「ちゃんと帰れたかなと思ってな」

何か違う、今度は違うのがわかった。
何かさっき会ってたAじゃ無い。
さっきまで『昨日』は会ってないと言い張ってたヤツが、『昨日』と言っている。

雰囲気か?空気みたいなものが違う気がしてた。

僕「オマエ何言ってんの?・・・オマエさ・・・A?」

A「・・・迎えにいこうか?」

僕「来んでええ、来んでええ!」

A「迎えにいこうか!?」

僕「来るな!来るな!・・・」

途中で携帯でしゃべってたはずが、頭の中でぐるぐる声が回る感じになりたぶん気絶したんだと思う。
翌朝玄関で寝ていた僕を起こした、母が一言、「あんた、ええ年しておねしょするってどういうこと?」

黒のパンツが腰辺りから下がびっしょり濡れていた。
においは無い。
携帯の着信履歴をみた、Aの名前はやっぱり、というか無かった。

その日の昼過ぎ、仕事場のビルのゴミ捨て場に行こうと思い立って、自転車片手運転で家を出た。
途中、箱ごとビルのゴミ捨て場に捨てようと思い、最後に恐いもの見たさで箱の中を覗くと、腰が抜けそうになりその場にへたり込んでしまった。

なんと・・・石が真っ二つに割れていた。
色は真っ黒で中が真っ赤になっていた。
むちゃくちゃ怖かった。
手がものすごく震えだして止まらなくなった。

仕事場に着くと、玉の入った箱をゴミ置きにお置いて、足早に駅へ。
駅までは行ったが、石を捨てた開放感?があっても、何かすっきりしないので普段はやったことの無いパチンコ屋へ。
ぼーっと玉を追いかけてると、よけいなことを考えずに済んだ。

気がついたら日が暮れていたし、金もほとんどなくなっていた・・・。

それから家に帰って夕飯を終え、風呂に入ってると、用事で出ていたオカンが帰って来ていきなり、「あんた!どこいってたんな!何回電話しても携帯も通じひんし!留守番電話聞いてないの?あんたA君っておったやろ?亡くなったらしいで、電話あってA君のお母さんが一度電話くれって」

Aが?嘘やろ!と思いつつA宅へ電話する。

僕「もしもし◯◯(僕の名前)ですが」

「ああ、◯◯くん・・・。ちょっとね大変なことになってね、ちょっと奥さん呼んで来るからまっててね」

何か向こうはざわざわしている。

Aママ「◯◯君?Aがね」

僕「母から聞きました、今から行きますわ」

Aママ「いや、通夜はもうちょっと後やから今日はええよ、明日でも。本人おらんしな」

僕「いや今日の方がいいんです。僕昨日Aと会ってるんです」

Aママ「たぶんそうやろうと思いました、それやったらまあ、家に来てください。気をつけてね」

電話を切りその足でタクシーを呼びA宅へ。
着くとAママが見せたいものがあるからと、Aの部屋へと案内した。

開けたとたんにちょっと嫌な感じがした、ガラステーブルに落書き帳?画用紙のやつ?がぽつんと置いてありそれを開けてみろと言った。
中に書いてあったのは僕とAママ宛への手紙だった。

中身はこんな感じ。

「『おかんへ
おかん、これ見たら◯◯へ電話してこれ読むように言って、絶対に!

◯◯へ
昨日は変な事急に言ってごめんな。
でもオマエも十分変なこと言ってたで、俺に会ったとかかなりキモイ事言ってたしな。
で、夢の内容やけども、あの後家帰って見たのは下半身全部赤かった、そんで、じわじわ首の方まで赤くなって行きよった。
もちろん俺もや。

気になってんけどオマエはなんか黒い何かを持ってて、その回りが異常に赤かった。
何かの塊(かたまり)みたいなもん。
それしか分からん。

今日は弟の命日やけど、ひょっとして俺の命日にもなるかも知れんなぁ。
アホみたいな話しやけど・・・俺ら誕生日同じ日やしな。
オカンには悪いけど先に行くかも知れんから、先に言っとくわ、生んでくれてありがとうな。

何やろうなこれは、こう引っ張られる感じって。
最近何かに引っ張られる感じがするわ』」

手紙はここまでしか書かれていませんでした。
後半はちょっとした遺言?みたいになっていた。

死ぬのがわかったのかどうかは、誰にもわかりません。
手紙以外、何も書かれてない落書き帳をめくっていて思わず手が止まった。
そこにはあれがあった。
真っ黒な大きな丸が書かれていた。
中心は真っ赤に塗り潰されていた。
クレヨンで・・・。

何度も何度も塗り重ねて黒が盛り上がってた。
ページの端の方に小さく何か書いてあった。
というか鉛筆で書いて消しゴムで消した感じ?書かれてないけど、書いた跡。

「探し物」ってしかも誰が見てもAとは明らかに違う筆跡で。

どういう状況か分かりませんが、Aはベッドの上で眠るように亡くなっていたそうです。
Aママが昼前になっても起きないAを起こそうとしたら、呼吸しておらずに病院へ運ばれ、その時はすでに亡くなっていたそうです。

病院で服を脱がす時、足から首にかけて何本か赤いミミズ腫れのようなものがあったと言っていました。
Aが手紙を夢から覚めてすぐに書いたようですが、石のことも含め何も分かりません。
しかし全てが石を拾った直後から起こった出来事です。

石に助けられたのでしょうか・・・?

Aに助けられたのでしょうか・・・?

石とAは何か関係あったのかもしれません。

その後、12月31日の夜中から1月2日の朝まで40度くらいの高熱で寝込んでましたが、夢に何度もAが頻繁に出て何か叫んでるようでしたが・・・何か分かりません。
仕事場のゴミ捨て場にも行き石を探しましたがもう無くなっていました。

それから僕の腕は正月明けの1月5日に急に上がるようになりました。
それ以来は不思議なことは何も起こっていません。

Aママから後から聞いた話しだと、Aの弟が亡くなったのも同じような状態らしいです。
Aに関しては警察関係の人とか来て、事情聴取されてたみたいですが、外傷や薬物反応もなく心不全と診断されました。

そういうことなので、自殺でも殺人ではないようです。

しかし、全てはあの石を拾った日から始まったんです。