以前、地元警察署にお世話になってしまったことがありまして・・・。
「貴方はお酒を飲み過ぎて酷く酔っ払っていた。最後に飲食店から出たのは深夜四時過ぎ。その後近くのコンビニに立ち寄り、自宅マンションに着いたのは深夜四時半頃。かなりお酒に酔っていた為に貴方はマンションの階を間違え、本来自宅は七階の七号室であるところを、一つ下の六階の七号室に入ってしまい、たまたま六階の鍵は開いていた」
「貴方はお酒を飲み過ぎて酷く酔っ払っていた。最後に飲食店から出たのは深夜四時過ぎ。その後近くのコンビニに立ち寄り、自宅マンションに着いたのは深夜四時半頃。かなりお酒に酔っていた為に貴方はマンションの階を間違え、本来自宅は七階の七号室であるところを、一つ下の六階の七号室に入ってしまい、たまたま六階の鍵は開いていた」
「違う。違うんです」
私は、酷い二日酔いのまま地元警察署の中の一室で、四人の警官にジッと見つめられながら事実確認を求められました。
事実は違うんです。
私は確かに酔ってはいました。
けれど記憶はちゃんとあります。
間違えて住居侵入なんてしていません。
その日は飲み屋を三軒ハシゴし、三軒目は自宅に程近い場所にあるバーで、そこに居た綺麗な女性客と盛り上がったんです。
この女性をMさんとしましょう・・・。
私とMさんは話をしていく内に、偶然二人共同じマンションに住んでいることが分かったんですよ。
そのMさんが私の一つ下の六階に住んでいたんです。
バーの閉店時間も来たので私達は店を出たんですが、Mさんがね「うちで飲みなおさない?」って言うんですよ。
お互い明日は仕事も休みでしたし、私はもう鼻の下を伸ばしながら二人でコンビニに入って、ワインとチューハイとお茶、Mさんがお腹が空いたというので弁当とアイス、それからなるべく薄いコンドームを買ったんです。
レシートもあります。
コンビニから出ると私達はMさんの部屋に直行したのですが、二人でベッドに入った途端すぐに爆睡してしまったんです。
二時間ほどして私が先に目覚めると、ベッドの周りが酷く臭かったので寝たまま吐いてしまったかなと・・・Mさんを見たら、Mさんも調度起きたのか、私の方を見て口を開けていて・・・。
口を、開けたままで・・・。
「貴方はそこで、亡くなっているMさんを発見した」
そうなんです。
でもね、警察の方はMさんの遺体の状況から見て亡くなってから一週間は経過していると。
餓死だそうです。
だから、私がMさんと飲んでるわけもなくまた決定的なのは最後のお店のバーテンさんの話よると、私はバーでずっと一人で喋っていたそうで・・・。
もうここまで来ると酔っ払いの戯言かも知れません。
戯言かも知れませんが、それでも私が昨夜見た光景、行動したままを警察の方に力説したんです。
そうすることしか出来ませんから。
次に私は、警察の方に、Mさんと話した会話の内容を説明しました。
Mさんの下の名前やら田舎、趣味や仕事のこと、食べ物の好み。
この時、すぐに私の情報を警察官が照らし合わせると、下の名前、田舎(本籍)仕事が一致していました。
「貴方とMさんとは以前、面識があったのではないですか?」
無いです。
バーで初体面でした。
初対面・・・ただバーテンさんが居なかったと証言しているということから思い返してみると、Mさんの前にはグラスやおしぼりも無かったような気がしてきました。
また、一緒に会計したつもりだったレシートには手書きで合計金額だけが書いてあったのですが、私の分だけのような気がしてます。
なんだか分からなくなって来ました・・・。
でも、ここで警察の方が急に声のトーンを変えて来たんです。
それは「疑って悪かった」とでも言いたいかのような、表情が一瞬緩んだというか。
まるで今まで私を試していたかのような雰囲気でした。
警察官同士で何やら目で合図を交わすと、四人居た中の三人は部屋から出て行って、残った一人が少し言葉を選ぶようにして、私に話しかけて来たのですが、まるで手の平を返したように「どうやら貴方はMさんと居たようだ」と、あっさり言ってくるんです。
警察の方は、私が始めにこの話を現場でざっと話し、少ししてから警察署に移動する間に、昨夜Mさんと立ち寄ったコンビニの防犯カメラをチェックしていたようなんですよ。
で、Mさん、しっかりそこに映っていたようなんです。
「それ早く言って下さいよ!!!」って、私言いましたよ。
そうしたらその警官が言うんですよ、「人間じゃなかった」って。
私、もともと文章書くのが好きで、まあ今こうやって淡々と書いていますが、正直、恐怖で気が狂いそうです。
少し前に自宅に戻ったのですが、座っているとガタガタ震えてしまうので、部屋の中をウロウロと歩き周りながら、携帯でこれを書いています。
もう何かに集中していないと、また今までのことを何とか頭の中で整理を付けないと、ほんと気が狂いそうです。
Mさん、お腹減ったって言ってた。
ご遺族の方がそろそろ新幹線で東京に到着されているようです。
今また警察から電話が入りました。
第一発見者である私に対して、警察の方は「ご遺族の気持ちを配慮したい」ということから、私がMさんの遺体を発見した経緯は、伏せるような形にするようで少々打ち合わせをしました。
発見出来た事・・・良かったと思っています。
でも、どうしてもこの震えだけが止まりません。
私は、酷い二日酔いのまま地元警察署の中の一室で、四人の警官にジッと見つめられながら事実確認を求められました。
事実は違うんです。
私は確かに酔ってはいました。
けれど記憶はちゃんとあります。
間違えて住居侵入なんてしていません。
その日は飲み屋を三軒ハシゴし、三軒目は自宅に程近い場所にあるバーで、そこに居た綺麗な女性客と盛り上がったんです。
この女性をMさんとしましょう・・・。
私とMさんは話をしていく内に、偶然二人共同じマンションに住んでいることが分かったんですよ。
そのMさんが私の一つ下の六階に住んでいたんです。
バーの閉店時間も来たので私達は店を出たんですが、Mさんがね「うちで飲みなおさない?」って言うんですよ。
お互い明日は仕事も休みでしたし、私はもう鼻の下を伸ばしながら二人でコンビニに入って、ワインとチューハイとお茶、Mさんがお腹が空いたというので弁当とアイス、それからなるべく薄いコンドームを買ったんです。
レシートもあります。
コンビニから出ると私達はMさんの部屋に直行したのですが、二人でベッドに入った途端すぐに爆睡してしまったんです。
二時間ほどして私が先に目覚めると、ベッドの周りが酷く臭かったので寝たまま吐いてしまったかなと・・・Mさんを見たら、Mさんも調度起きたのか、私の方を見て口を開けていて・・・。
口を、開けたままで・・・。
「貴方はそこで、亡くなっているMさんを発見した」
そうなんです。
でもね、警察の方はMさんの遺体の状況から見て亡くなってから一週間は経過していると。
餓死だそうです。
だから、私がMさんと飲んでるわけもなくまた決定的なのは最後のお店のバーテンさんの話よると、私はバーでずっと一人で喋っていたそうで・・・。
もうここまで来ると酔っ払いの戯言かも知れません。
戯言かも知れませんが、それでも私が昨夜見た光景、行動したままを警察の方に力説したんです。
そうすることしか出来ませんから。
次に私は、警察の方に、Mさんと話した会話の内容を説明しました。
Mさんの下の名前やら田舎、趣味や仕事のこと、食べ物の好み。
この時、すぐに私の情報を警察官が照らし合わせると、下の名前、田舎(本籍)仕事が一致していました。
「貴方とMさんとは以前、面識があったのではないですか?」
無いです。
バーで初体面でした。
初対面・・・ただバーテンさんが居なかったと証言しているということから思い返してみると、Mさんの前にはグラスやおしぼりも無かったような気がしてきました。
また、一緒に会計したつもりだったレシートには手書きで合計金額だけが書いてあったのですが、私の分だけのような気がしてます。
なんだか分からなくなって来ました・・・。
でも、ここで警察の方が急に声のトーンを変えて来たんです。
それは「疑って悪かった」とでも言いたいかのような、表情が一瞬緩んだというか。
まるで今まで私を試していたかのような雰囲気でした。
警察官同士で何やら目で合図を交わすと、四人居た中の三人は部屋から出て行って、残った一人が少し言葉を選ぶようにして、私に話しかけて来たのですが、まるで手の平を返したように「どうやら貴方はMさんと居たようだ」と、あっさり言ってくるんです。
警察の方は、私が始めにこの話を現場でざっと話し、少ししてから警察署に移動する間に、昨夜Mさんと立ち寄ったコンビニの防犯カメラをチェックしていたようなんですよ。
で、Mさん、しっかりそこに映っていたようなんです。
「それ早く言って下さいよ!!!」って、私言いましたよ。
そうしたらその警官が言うんですよ、「人間じゃなかった」って。
私、もともと文章書くのが好きで、まあ今こうやって淡々と書いていますが、正直、恐怖で気が狂いそうです。
少し前に自宅に戻ったのですが、座っているとガタガタ震えてしまうので、部屋の中をウロウロと歩き周りながら、携帯でこれを書いています。
もう何かに集中していないと、また今までのことを何とか頭の中で整理を付けないと、ほんと気が狂いそうです。
Mさん、お腹減ったって言ってた。
ご遺族の方がそろそろ新幹線で東京に到着されているようです。
今また警察から電話が入りました。
第一発見者である私に対して、警察の方は「ご遺族の気持ちを配慮したい」ということから、私がMさんの遺体を発見した経緯は、伏せるような形にするようで少々打ち合わせをしました。
発見出来た事・・・良かったと思っています。
でも、どうしてもこの震えだけが止まりません。
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