9月27日11時52分ごろ、長野県と岐阜県にまたがる位置にある御嶽山が突然に噴火し、数十人の負傷者や行方不明者が出ている。
日本には「おんたけさん」「みたけやま」などと呼ばれる山が20以上存在しており、信仰の山としての普通名詞的な要素をもつ名称であるが、その中でも「木曽御嶽山」といえば、もっとも山岳信仰が盛んな「神の山」であり、また富士山に次いで日本で2番目に標高が高い火山でもある。
日本には「おんたけさん」「みたけやま」などと呼ばれる山が20以上存在しており、信仰の山としての普通名詞的な要素をもつ名称であるが、その中でも「木曽御嶽山」といえば、もっとも山岳信仰が盛んな「神の山」であり、また富士山に次いで日本で2番目に標高が高い火山でもある。
■24時間の監視でも、予測は不可能だった!?
御嶽山は、1979年に水蒸気爆発を起こして以来、断続的に小規模な噴気活動を続けており、今回は7年ぶりの噴火となる。
気象庁が取り組む24時間体制の監視により、今月11日には御嶽山周辺で80回を超える地震が観測されていたが、山の表面が膨らんだり地下からマグマが上昇するといった現象が見られなかったため、噴火警戒レベルは最低の「レベル1(平常)」にとどまっていた。
今回の噴火は、いわゆる「水蒸気爆発」といって、マグマが地下水と接触し、大量の水蒸気が急激に発生した結果起きる爆発的噴火だった。
気象庁が明確な予測を打ち出せなかった背景には、「通常のマグマ噴火と比べて、前兆現象があまりない」という水蒸気爆発の特性があるようだ。
実際、27日の気象庁・北川貞之火山課長の会見では、「地震の回数だけで、噴火の前兆と判断するのは難しい」として、噴火の予知が困難であったことが示されている。
しかし前兆をつかむことのできなかった気象庁とは対照的に、噴火を事前に察知していた科学者をはじめとする人々が存在する。
彼らの発言について検証するとともに、この噴火が富士山噴火や大地震に繋がるかどうかについても考えてみたい。
■噴火を事前に察知していた人々
・村井俊治氏(東京大学名誉教授)
まず、過去に何度も大きな地震を予測・的中させてきた村井俊治・東京大学名誉教授は、御嶽山の噴火についてどのような見解を表明していたのだろうか。
測量学の分野における世界的な権威である村井氏は、国土地理院が構築した全国1300カ所の電子基準点から得られるデータを利用して地震予測に挑んでいる。
そんな村井氏の最新予測が、『週刊ポスト』(9月19日/26日合併号、小学館)に「異常変動全国MAP」としてまとめられているが、ここで示された4カ所の「警戒ゾーン」の一つが「飛騨・甲信越・北関東」エリアだった。
今回の噴火に関して、28日に村井氏は自身のツイッター(@sh1939murai)上で、「火山噴火は予測できませんでした。しかし電子基準点に異常変動が前兆のようにして出ていました」と発言。
加えて、今年2月には御嶽山に近い高山と大滝で異常変動が見られ、5月には御嶽山で群発地震が発生したことを指摘している。
これらの地震が、噴火と関係があったということなのだろう。
村井氏は、かねてより火山の噴火まで予測するとは明言していない。
しかし、噴火の前に起きたと思しき地殻変動の一部を指摘していたという点は疑いようもない事実である。
・木村政昭氏(琉球大学名誉教授)
村井氏同様、これまで数多くの巨大地震を予測・的中させてきた木村政昭・琉球大学名誉教授は、自身のHP上で最新の地震予測地図を公開している。
だが、そこには富士山以外の火山噴火の予測は示されていない。
ところが、だ。
2013年3月刊行の著書『東海地震も関東大地震も起きない!』(宝島社)において、木村氏は御嶽山の噴火を「2013年±4年」と明確に予測しているのだ。
2017年までに御嶽山が噴火するという氏の指摘は、その通りになった。
この件ついて今後、氏がどのような見解を示すか注目に値する。
・ミッヒー氏(主婦ブロガー)
これまで「透視ビジョン」と「予知夢」、そして「体感」によって数多くの災害を予言・的中させてきた主婦・ミッヒー氏も何かを感じ取っていたとしか思えない。
ミッヒー氏は、自身が感じ取った予兆をまずはツイッター上で述べ、後日それらをブログにまとめて記事にする習慣がある。
それを見ると、氏は今月6日に「噴火マグマ体感あり」と短くツイートしていたことが分かる。そして噴火当日には「9月6日のツイート。御嶽山の噴火だったかな」とツイート。
これを見ると、氏は今回の噴火の約3週間前に、何からかの前兆を「体感」していたのかもしれない。
・リシル氏(ブロガー)
リシル氏は、自身の「体感」だけでなく、「霊さん」と呼ぶ霊的存在から地震の発生を事前に教えてもらうこともあるという。
氏はこのような方法で、これまでに数多くの地震を、場所も含めてピンポイントで予測・的中させてきた。
今月に入りリシル氏は、「体感火山噴火か津波」と題したブログ記事で、国内か国外かは不明ではあるものの、火山の噴火か津波の発生を予測していた。
興味深いのは、氏がこの記事を書いた9月3日が、前述のミッヒー氏が「体感」した9月6日と近かったことだ。
2人とも関東在住だが、ともに御嶽山噴火の前兆を感じ取っていたと考えられないだろうか。
・松原照子氏(予言者)
これまで3.11など多くの災害や事件を予言してきた松原照子氏は、今回の噴火について何らかの予言を行っていただろうか。
探してみると、昨年12月10日に自身のブログ「幸福への近道」に、気になる発言があった。
松原氏は、「火の国、日本」と題した記事で西之島新島の浮上を話題にした後、「富士山も浅間山も御嶽山も東日本大地震後、地下では動きを見せています」と、書いているのだ。
やはり御嶽山の噴火には、3年前の大震災が何らかの影響を及ぼしているということなのだろうか。
この文脈に沿えば、富士山と浅間山も間もなく噴火する可能性があると解釈できるかもしれない。
■富士山噴火や大地震に繋がる可能性は?
さて、読者の多くが知りたいのは、今回の御嶽山噴火が「富士山噴火や大地震に繋がる可能性はあるのか?」ということだろう。
前述の木村氏(琉球大学名誉教授)は、これまで独自の理論によって数多くの大地震を予測してきたが、「火山噴火と地震の時・空関係」からも予測が可能だとしている。
従来、大地震の発生後にはその付近で火山噴火が起きることが少なくないため、両者には何らかの関係があるという説が唱えられてきた。
だが、木村氏によれば、それよりも圧倒的に多いケースは、火山噴火の後で大地震が発生するパターンだという。
たとえば1923年の関東大震災の際には、その11年前から、震央に近い地点から遠い地点へと、まるで波紋のように整然と火山が順番に噴火していったというのだ。
このように、火山噴火が起きてから数年から10~20年ほどして巨大地震が起きるケースが多いという。
こうしてみると、御嶽山の噴火が、他の火山噴火や大地震発生の前触れだということも十分考えられるようだ。
御嶽山については、南海トラフと同じユーラシアプレート上にあるため、「南海トラフ地震」の発生に影響を与える可能性もあるかもしれない。
注意が必要だ。
いずれにしても、今回紹介した人々の今後の発言から、目が離せない。
御嶽山は、1979年に水蒸気爆発を起こして以来、断続的に小規模な噴気活動を続けており、今回は7年ぶりの噴火となる。
気象庁が取り組む24時間体制の監視により、今月11日には御嶽山周辺で80回を超える地震が観測されていたが、山の表面が膨らんだり地下からマグマが上昇するといった現象が見られなかったため、噴火警戒レベルは最低の「レベル1(平常)」にとどまっていた。
今回の噴火は、いわゆる「水蒸気爆発」といって、マグマが地下水と接触し、大量の水蒸気が急激に発生した結果起きる爆発的噴火だった。
気象庁が明確な予測を打ち出せなかった背景には、「通常のマグマ噴火と比べて、前兆現象があまりない」という水蒸気爆発の特性があるようだ。
実際、27日の気象庁・北川貞之火山課長の会見では、「地震の回数だけで、噴火の前兆と判断するのは難しい」として、噴火の予知が困難であったことが示されている。
しかし前兆をつかむことのできなかった気象庁とは対照的に、噴火を事前に察知していた科学者をはじめとする人々が存在する。
彼らの発言について検証するとともに、この噴火が富士山噴火や大地震に繋がるかどうかについても考えてみたい。
■噴火を事前に察知していた人々
・村井俊治氏(東京大学名誉教授)
まず、過去に何度も大きな地震を予測・的中させてきた村井俊治・東京大学名誉教授は、御嶽山の噴火についてどのような見解を表明していたのだろうか。
測量学の分野における世界的な権威である村井氏は、国土地理院が構築した全国1300カ所の電子基準点から得られるデータを利用して地震予測に挑んでいる。
そんな村井氏の最新予測が、『週刊ポスト』(9月19日/26日合併号、小学館)に「異常変動全国MAP」としてまとめられているが、ここで示された4カ所の「警戒ゾーン」の一つが「飛騨・甲信越・北関東」エリアだった。
今回の噴火に関して、28日に村井氏は自身のツイッター(@sh1939murai)上で、「火山噴火は予測できませんでした。しかし電子基準点に異常変動が前兆のようにして出ていました」と発言。
加えて、今年2月には御嶽山に近い高山と大滝で異常変動が見られ、5月には御嶽山で群発地震が発生したことを指摘している。
これらの地震が、噴火と関係があったということなのだろう。
村井氏は、かねてより火山の噴火まで予測するとは明言していない。
しかし、噴火の前に起きたと思しき地殻変動の一部を指摘していたという点は疑いようもない事実である。
・木村政昭氏(琉球大学名誉教授)
村井氏同様、これまで数多くの巨大地震を予測・的中させてきた木村政昭・琉球大学名誉教授は、自身のHP上で最新の地震予測地図を公開している。
だが、そこには富士山以外の火山噴火の予測は示されていない。
ところが、だ。
2013年3月刊行の著書『東海地震も関東大地震も起きない!』(宝島社)において、木村氏は御嶽山の噴火を「2013年±4年」と明確に予測しているのだ。
2017年までに御嶽山が噴火するという氏の指摘は、その通りになった。
この件ついて今後、氏がどのような見解を示すか注目に値する。
・ミッヒー氏(主婦ブロガー)
これまで「透視ビジョン」と「予知夢」、そして「体感」によって数多くの災害を予言・的中させてきた主婦・ミッヒー氏も何かを感じ取っていたとしか思えない。
ミッヒー氏は、自身が感じ取った予兆をまずはツイッター上で述べ、後日それらをブログにまとめて記事にする習慣がある。
それを見ると、氏は今月6日に「噴火マグマ体感あり」と短くツイートしていたことが分かる。そして噴火当日には「9月6日のツイート。御嶽山の噴火だったかな」とツイート。
これを見ると、氏は今回の噴火の約3週間前に、何からかの前兆を「体感」していたのかもしれない。
・リシル氏(ブロガー)
リシル氏は、自身の「体感」だけでなく、「霊さん」と呼ぶ霊的存在から地震の発生を事前に教えてもらうこともあるという。
氏はこのような方法で、これまでに数多くの地震を、場所も含めてピンポイントで予測・的中させてきた。
今月に入りリシル氏は、「体感火山噴火か津波」と題したブログ記事で、国内か国外かは不明ではあるものの、火山の噴火か津波の発生を予測していた。
興味深いのは、氏がこの記事を書いた9月3日が、前述のミッヒー氏が「体感」した9月6日と近かったことだ。
2人とも関東在住だが、ともに御嶽山噴火の前兆を感じ取っていたと考えられないだろうか。
・松原照子氏(予言者)
これまで3.11など多くの災害や事件を予言してきた松原照子氏は、今回の噴火について何らかの予言を行っていただろうか。
探してみると、昨年12月10日に自身のブログ「幸福への近道」に、気になる発言があった。
松原氏は、「火の国、日本」と題した記事で西之島新島の浮上を話題にした後、「富士山も浅間山も御嶽山も東日本大地震後、地下では動きを見せています」と、書いているのだ。
やはり御嶽山の噴火には、3年前の大震災が何らかの影響を及ぼしているということなのだろうか。
この文脈に沿えば、富士山と浅間山も間もなく噴火する可能性があると解釈できるかもしれない。
■富士山噴火や大地震に繋がる可能性は?
さて、読者の多くが知りたいのは、今回の御嶽山噴火が「富士山噴火や大地震に繋がる可能性はあるのか?」ということだろう。
前述の木村氏(琉球大学名誉教授)は、これまで独自の理論によって数多くの大地震を予測してきたが、「火山噴火と地震の時・空関係」からも予測が可能だとしている。
従来、大地震の発生後にはその付近で火山噴火が起きることが少なくないため、両者には何らかの関係があるという説が唱えられてきた。
だが、木村氏によれば、それよりも圧倒的に多いケースは、火山噴火の後で大地震が発生するパターンだという。
たとえば1923年の関東大震災の際には、その11年前から、震央に近い地点から遠い地点へと、まるで波紋のように整然と火山が順番に噴火していったというのだ。
このように、火山噴火が起きてから数年から10~20年ほどして巨大地震が起きるケースが多いという。
こうしてみると、御嶽山の噴火が、他の火山噴火や大地震発生の前触れだということも十分考えられるようだ。
御嶽山については、南海トラフと同じユーラシアプレート上にあるため、「南海トラフ地震」の発生に影響を与える可能性もあるかもしれない。
注意が必要だ。
いずれにしても、今回紹介した人々の今後の発言から、目が離せない。
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