これは私が大学を卒業して、就職した時の話です。

私は田舎に住んでいて就職したのは都会だったので、親元を離れて一人暮らしをすることになりました。
それまで一人暮らしをしたことがなく、楽しみというよりも不安の方が多かったと思います。
今までは親のお金で生活をして来ましたが、就職したからには自分の収入だけでなんとかやっていかなければいけません。

そこで私は少しでも生活費を安く抑えるために、家賃の安いアパートを借りることにしました。
私はとある不動産屋さんに入り、自分が求める条件を提示して、その条件に合うアパートを探してもらうことにしました。

私が提示した条件が厳し過ぎるのか、なかなか条件に合うアパートが見つからず、2週間ほどしてから条件に合うアパートが見つかりました。

なぜ見つけるのに時間が掛かったのかと言えば、そのアパートの部屋は事故物件だったのです。
私は事故物件と聞いて最初は驚きましたが、家賃が安いから良いだろうと思い、そのアパートを紹介してもらうことにしました。

霊感が強い方ではないので、大丈夫だろうとも思っていましたし・・・。

その後、その部屋に引っ越しをして初めての一人暮らしがスタートしたのです。
部屋に引っ越してから数日は事故物件と言うこともあり、警戒をしていました。
しかし何日経っても何も起こらないので、「ひとまず安心・・・」と思っていた矢先です。
急に変なことが起こり始めたのです。

最初は明かりが急に消えることから始まりました。

消えている時間は10秒程度なのですが、それが一日に何度も起こるのです。
はじめは電気の配線が傷んでるんだろうと思い、あまり気にしませんでしたが、時には夜なのに窓の外が真昼のように明るくなることがありました。

私の部屋は車道に面してはいないので、自動車の光ではないはずです。
また光った時に窓を開けて外を見たとしても、すぐに暗くなってしまうのです。
それでも私はなんかの加減だろうと思い、特に気にすることもなかったのです。

その次に起こったのは音です。
床がミシミシ言うようになり、どこからともなくパチパチと音がするようになったのです。
やっぱり事故物件だから・・・と、部屋で起きている現象に納得もし始めていました。

そして、こんなことが毎日のように続いた後、ついに姿を現したのです。

私が夜中に眠っていた所、急に重さを感じたので、目が覚めました。
目を開けると布団の上に一人の男が乗っていたのです。
私は身動きが取れず、男を見るしかできなかったのです。
しばらくしてからその男はすっと消え、私の体も動かせるようになりましたが、あの血色のない顔は今でも忘れることができないです。

私はもうだめだと思い、不動産屋さんに連絡して部屋を解約してもらうことにしました。
家賃が破格とはいえ、事故物件には住むものではないと心底思ったので、「事故物件でもいい」と思って探されている方は相当な覚悟が必要だと思います。

私は絶対にオススメはしません・・・。