私が関西の大学に入学して、数週間が経った時の話です。

親元を離れた生活にも少しずつ慣れてきて、仲の良い友達が出来て、毎日、楽しい新生活を送っていました。

何日経った頃、体調を崩して喘息のような症状に見舞われました。
その話を友達に話している時に、友達の一人に腕を見せてと言われました。
私はシャツの袖をめくって友達に腕を見せると友達は腕を見るなり、「やっぱり・・・」と言って何かを考えていました。

「私の腕がどうしたの?」

「あぁ、この腕の関節の近くにしわみたいなのがあるでしょ?それがある人は結構な確率で霊感があるよ」

私に霊感?

今までに幽霊を見たことも無いし、むしろお化け屋敷でさえ怖くて関わりたくない存在なのに、そんなことがあるのかな、と思いました。
しかし、今考えるとあれは心霊体験になるのかと思って、友達に話しました。

一つは私が中学生の時、夢の中で金縛りのようなことが起きました。
私の上には何が乗っていて、身動きが取れない状態でした。
パッと部屋の時計を見た時には深夜2時だったのを覚えています。
金縛りが無くなり、ハッと目を覚まし時計を見ると私が先ほど見た時間と同じでした。

何か心がもやもやした状態で、次の日、癌の治療中の親戚のおじさんの家に行きました。
おじさんも来てくれてありがとうと言って、また次の日に来る約束をしました。
その2時間後、おじさんの様子が急変して亡くなってしまいました。

もしかして、私に何が悪いものが憑いていて、おじさんをあの世に連れて行ってしまったのではないかと・・・誰にも言えず、ずっと心の奥底にしまい込んでいた話を友達にしました。

友達は「大丈夫だから」と行って授業に行ってしまいました。

私も学校が終わり、自宅に帰るとまた喘息が酷くなる。
その時、携帯電話が鳴り、友達からでした。

「今からお母さんに代わるから」

いきなり言われてもちんぷんかんぷんで、とりあえずはいと答えました。

「Aちゃん、怖かったね・・・もう大丈夫だから!おばさんにAちゃんの名前と生年月日を教えてもらいたいの」

不思議なことに、おばさんは名前と生年月日が分かれば私に『憑いているもの』が見えると言いました。

おまけに住んでいる土地から、部屋の間取りまで全ておばさんには見える様です。

「Aちゃん、最近肺とか苦しくなかった?」

「苦しくて、喘息も起きてます」

「Aちゃん、怖がらないでね、今あなたの体には肺炎で亡くなった男の人が憑いているの。その人が、Aちゃんに憑いていると、Aちゃんはそのうち肺炎で亡くなるかもしれない・・・だから、すぐに出て行ってもらいましょう!」

私の体調が悪くて、喘息のような苦しい発作はそれが原因みたいです。
今すぐにも出て行ってもらいたいので、どうしたら良いのか聞きました。

「出て行っても、あなたの部屋にはあと7人の霊がいるの。中には害も無い奴もいるけど、Aちゃんに悪さするやつもいるから」

まさか、たった一回しか金縛りを経験したことがない私が霊を集めやすい体質だとは、思いもしませんでした。

「おばさんの家に来なさい、結界が張ってあるからそうしたら出て行ってくれるわ!玄関の窓とその対角線上にある窓を開けてみて、そうしたら、もう大丈夫」

おばさんにお礼を言ってたら、最後におばさんが「Aちゃんの声が男の人だから、今度家に来た時は可愛い声でお話しましょ」

おばさんの携帯電話からは私の声ではなく、憑いている人の声で話をしていたみたいです。

次の日、言われた通りに窓を開けるとフワッと・・・何かが出ていく様な気がしました。
それからは苦しくもなく、体調も良くなり心霊体験もなくなりました。

今まで私は霊感は無いと思っていましたが、寄せやすい体質の人もいるのだと実感しました。
心当たりのある方は一度、お祓いなどされてみるのもいいかもしれませんね。