仕事先で食事に誘われ、話し込んでいるうちに深夜になってしまった。
帰ろうとしたとき、同じ席の人が聞いてきた。
「君、A峠を使って帰るんか?」
「ええ、そうですが」
「一番上の電話ボックス付近に幽霊出るから気をつけな」
よくあるパターンだと思いつつ、適当に話を合わせて店を出た。
酒を抜くためにコンビニに車を停め、軽く一眠りしてから峠に入った。
午前二時。
さすがに誰もいない。
少々気味悪く感じるのも仕方ないだろう。
頂上に差し掛かると、今は珍しくなった電話ボックスが緑色に光っていた。
闇夜の電話ボックスは不気味アイテムだよな、などと思いながら通過。
気にしてたわけではないが、なんとなく後ろを見てみた。
当たり前だが何もない。
後は運転に集中した。
トランス状態で運転していたが、ふと覚醒した。
なんか視界の隅に見える。
助手席に誰かいる。
薄青っぽい半透明の髪の長い細身の女性がうつむいて座っていた。
視線を動かして一瞬見ただけだが、確実に見えた。
上昇する心拍数・・・。
否応にも高まる緊張・・・。
しかしそれでも落ち着け、俺!
パニックになって暴走して事故を起こすのだけは避けなければならない。
今までこの手のパターンの話は多数既出であり、対応策だっていくつか考えていた。
車を停めて夜明けまで待つ?
無視して低速で安全運転を心がける?
車を停めるのが一番安全なんだろうけど、隣りの彼女と一夜を過ごすのは嫌だ。
とにかく頂上から離れようと思い、そのまま運転を続けることにした。
正体を見極めたいところだけど、霊と話をしてはいけないというしな・・・。
それになんか病的っていうか・・・話しかけていいような感じじゃない。
左を見れないまま運転を続け、5分が経った。
まだ彼女は乗っている。
彼女の顔をまともに見たらなにか危ない気がしており、恐れたのは、彼女がこちらを向くことだった。
冷や汗をかきながらの運転が続き更に5分。
まだ降りてくれない・・・。
緊張が続き、嫌な気分になって来た。
一体いつまで乗っているつもりだ。
苛立ちは恐怖を怒りに変えた。
俺は休日返上で働いているのに、なんであの世のものに脅されなければなんのだ。
お前らは仕事もねーし気楽なもんじゃねぇのかと。
降りないならいいだろう、てめー絶対降りるんじゃねぇ。
このまま神社か寺に行ってやる!
その瞬間、彼女の体がビクッと震えたような気がした。
たぶん彼女の体は震えていた。
そりゃもうガタガタと。
でも俺は「彼女を絶対に神社へ届ける」という意志をかためてたからそんなことは気にならない。
思考は「降りてください」から「降りるなよ」に変わっていた。
彼女を乗せたまま無事に峠を越えて、出口の信号にたどり着いた。
赤か・・・。
止まった瞬間、いきなりエンスト。
意識をそらした一瞬の隙に彼女も消えていた。
「ちくしょう、ここまで来て!」
神社に行きたくないって、悪霊かよ!何しに俺の車に乗ってきた!
だがまあ無事に乗り越えられたから良しとしよう。
むしろ心霊初体験おめでとう、俺。
もう何も起こらないだろう。
さぁ、家に帰ろうとエンジンを回した。
ギュルンルンルンルンルン・・・。
あれ?
ギュルンルンルンルンルン・・・。
エンジンがかからない。
バッテリーが切れたようだ。何で?
3時近かったが家に電話して親に来てもらい充電した。
そしたら動くようになった。
車のことは詳しくないが、走ってる最中にバッテリーが切れるなんてことがあるのか?
彼女が物理的に何かしたのだろうか。
少しゾッとした。
帰ろうとしたとき、同じ席の人が聞いてきた。
「君、A峠を使って帰るんか?」
「ええ、そうですが」
「一番上の電話ボックス付近に幽霊出るから気をつけな」
よくあるパターンだと思いつつ、適当に話を合わせて店を出た。
酒を抜くためにコンビニに車を停め、軽く一眠りしてから峠に入った。
午前二時。
さすがに誰もいない。
少々気味悪く感じるのも仕方ないだろう。
頂上に差し掛かると、今は珍しくなった電話ボックスが緑色に光っていた。
闇夜の電話ボックスは不気味アイテムだよな、などと思いながら通過。
気にしてたわけではないが、なんとなく後ろを見てみた。
当たり前だが何もない。
後は運転に集中した。
トランス状態で運転していたが、ふと覚醒した。
なんか視界の隅に見える。
助手席に誰かいる。
薄青っぽい半透明の髪の長い細身の女性がうつむいて座っていた。
視線を動かして一瞬見ただけだが、確実に見えた。
上昇する心拍数・・・。
否応にも高まる緊張・・・。
しかしそれでも落ち着け、俺!
パニックになって暴走して事故を起こすのだけは避けなければならない。
今までこの手のパターンの話は多数既出であり、対応策だっていくつか考えていた。
車を停めて夜明けまで待つ?
無視して低速で安全運転を心がける?
車を停めるのが一番安全なんだろうけど、隣りの彼女と一夜を過ごすのは嫌だ。
とにかく頂上から離れようと思い、そのまま運転を続けることにした。
正体を見極めたいところだけど、霊と話をしてはいけないというしな・・・。
それになんか病的っていうか・・・話しかけていいような感じじゃない。
左を見れないまま運転を続け、5分が経った。
まだ彼女は乗っている。
彼女の顔をまともに見たらなにか危ない気がしており、恐れたのは、彼女がこちらを向くことだった。
冷や汗をかきながらの運転が続き更に5分。
まだ降りてくれない・・・。
緊張が続き、嫌な気分になって来た。
一体いつまで乗っているつもりだ。
苛立ちは恐怖を怒りに変えた。
俺は休日返上で働いているのに、なんであの世のものに脅されなければなんのだ。
お前らは仕事もねーし気楽なもんじゃねぇのかと。
降りないならいいだろう、てめー絶対降りるんじゃねぇ。
このまま神社か寺に行ってやる!
その瞬間、彼女の体がビクッと震えたような気がした。
たぶん彼女の体は震えていた。
そりゃもうガタガタと。
でも俺は「彼女を絶対に神社へ届ける」という意志をかためてたからそんなことは気にならない。
思考は「降りてください」から「降りるなよ」に変わっていた。
彼女を乗せたまま無事に峠を越えて、出口の信号にたどり着いた。
赤か・・・。
止まった瞬間、いきなりエンスト。
意識をそらした一瞬の隙に彼女も消えていた。
「ちくしょう、ここまで来て!」
神社に行きたくないって、悪霊かよ!何しに俺の車に乗ってきた!
だがまあ無事に乗り越えられたから良しとしよう。
むしろ心霊初体験おめでとう、俺。
もう何も起こらないだろう。
さぁ、家に帰ろうとエンジンを回した。
ギュルンルンルンルンルン・・・。
あれ?
ギュルンルンルンルンルン・・・。
エンジンがかからない。
バッテリーが切れたようだ。何で?
3時近かったが家に電話して親に来てもらい充電した。
そしたら動くようになった。
車のことは詳しくないが、走ってる最中にバッテリーが切れるなんてことがあるのか?
彼女が物理的に何かしたのだろうか。
少しゾッとした。
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