中学生の時、家から少し離れたところに明らかに誰も住んでいない廃墟がありました。
壁一面に蔦(つた)が生い茂っていて、いかにもって感じの一軒家。

ある日の部活明けに同級生8人で忍び込むことに。
時間は夜8時頃。
表のドアが開かなかったため裏へ回り窓から侵入。

真っ暗な中、懐中電灯の照らした先にはなぜか無数の人形と、ボーリングのピンが壁に沿って並べてあった。
お祭り気分で乗り込んだものの、この時点でかなりテンションはダウン。
8人もいるのに口数はかなり減った。

皆、帰りたかったがせっかく入ったんだからともう少し捜索してみることに。
奥に進むと、そこは畳の部屋。
かなり痛んでいたらしく、歩くたびに足が畳を貫き、そのたびにギャーギャーわめいた。

次にリビングのような部屋に進んだ。
真ん中にはテーブル。
見ると何か置いてあった。

近づいてみるとそれは1枚の置き手紙と何かを録音したらしいテープ。
置き手紙にはこう書いてあった。

『お父さんありがとう』

特に怖いことが書いてあったわけじゃないのに。
何か寒気を感じて俺らは撤退することにした。