10年前ホテルのベルボーイのバイトしてたときの話。

勤務時間は夕方4時から翌朝の8時まで。
その間に仮眠時間があって・・・2時から5時くらいまで。
仮眠は従業員用の仮眠室で2段ベッドが2列で5台ずつ並んでる。

その日は一番早く仮眠に入り一番奥のベッドの下段で寝た。
他に誰もいない仮眠室は薄気味悪く『嫌だなぁ』と思いつつ寝ました。

どれだけ寝たでしょうか・・・。
入口から人の入ってくる気配があり『他の人も寝にきたのかな?』と思ってると気配は私のベッドの前で止まりました。

『やべ!寝過ごしたか!』と思いました。

その日の社員は厳しい社員で目覚まし代わりの蹴りを覚悟しました。(一様目覚まし用にボケベルを持たされるのですが、たまに寝過ごしてしまった時は社員が起こしに来るのでした)

ベッドのカーテンが横になって寝てる私の背後で『シャッ』っと開かれた瞬間、私は金縛りになった・・・。

そして横になり両手を枕の下に置いた状態のまま動けなくなったのです。
そして来たのです、私の名前を呼びながらベッドの中に・・・『◯◯入れてぇ・・・、◯◯入れてぇ・・・』と言いながら。

さらに奴はなおも名前を呼びながら布団に入り込み、私の脇の下から手を回して来たのです。
その感触はとても強くじょじょに上がってきました。

その時、私に出来ることは『南無阿弥陀仏・・・』と唱えるだけでした。

どれだけ時間が経ったかわかりませんが金縛りが解け、私は飛び起きて着替え始めたその時、目覚まし用のポケベルが鳴りすぐさま止め、着替えもそこそこにロビーへと向かいました。

ロビーに出ると社員が怪訝な顔で私を見ます。

『ポケベル、鳴らしたでしょ?』と私が言うと、『何言ってんねん。時間見ろ!』と言われました。

時間は2時。
確かに起こされるには早すぎる時間でした。
そこで、ハッ!と気付いてポケベルの履歴を見ると、鳴ったはずのボケベルに履歴はありませんでした。

人生で一度だけ経験した霊体験です。