ちょっと前に思い出して少し背中がひんやりした体験。

もう終わってからだいぶ経つが、『人志松本の◯◯な話』で、たまに芸人達が怖い話を持ち寄る企画をやっていた。
その中で「黒い人」という話があった。

話し手は誰だったか忘れたが、ある芸人の甥っ子が近々死ぬ人を何人も言い当てるらしく、その甥っ子が「芸人の婆ちゃん(入院中)も死ぬ」と言い出したらしい。
詳しく話を聞くと、「もうすぐ死ぬ人は周りに“黒い人影”がうろついているからわかる」とか言い出す。

その話の最後、昏睡状態の婆ちゃんが死ぬ間際に意識を取り戻したのだが、見舞いに来ていた芸人達ではなく誰もいない方向を見ながら「この人達・・・誰?」と問いかけ、そのまま息を引き取る。

恐らく甥っ子の言っていた黒い人達というのは死神的な存在で、婆ちゃんは死ぬ間際にそいつらを見たんだろう・・・という話だった。

これテレビで見た時、思い出した話がある。

もうかなり昔だが幼い頃、俺はよく高熱を出す虚弱な子供だったそうだ。
たぶん4~5歳くらいの時だと思うんだが、あまりの高熱に夜中に救急車を呼んで病院に担ぎ込まれたことがあるそうだ。(幼い頃のことなので俺自身は当時のことは覚えていない)

その時の話なんだが、昼過ぎくらいから熱を出し、両親のベッドで俺は寝かされていた。
何度か母が様子を見に来たが、俺は静かに寝ていたと言う。

しかし、夜の11時過ぎごろ。
そろそろ母も寝ようかと考え始めた時、突然俺が悲鳴をあげたんだそうだ。
それも生半可な声じゃない。

慌てて寝室に行ってみると俺がガタガタ震えながら「黒い人が来る!黒い人が来るから助けて!!」と泣き叫んでいたらしい。

もちろん部屋には誰もいないし、熱を測りなおそうと体温計を取りに離れた母に俺はすがりついて「行かないで!黒い人が来てるんだ!」と繰り返した。

測りなおした結果、俺の体温は42度まで計れる体温計のマックスを振り切っていたらしい。
様子も尋常ではないし、母は救急車を呼び俺を病院へ連れて行った。
病院に着いた頃にはもう俺は意識を失っていたんだが、幸いなことに命に別状はなかったらしい。

その日は入院したが、一晩点滴をうったら翌日には俺はケロっとしていて、前の晩のことなど覚えていない様子だったそうな。

さっきも書いたが俺自身はこの時のことは覚えておらず、今から10年ちょっと前、高校生くらいの頃に母から聞いた話だ。

聞かされた時は、少々気味が悪い話だが、あまりの高熱を出すと本当に幻覚見たりするんだなぁ程度の感想しかなかった。
母も別にオカルト話として語っていたのではなく、体の弱い俺に手をやかされていたんだよ、というニュアンスで語っていた。

その後この話のこともすっかり忘れていたんだが、テレビで「黒い人」の話を見て思い出したんだ。
今まで俺も母も幻覚だと思っていたが、あの時俺は、芸人の甥っ子が言っていた黒い人と同じものを見たんじゃないだろうか?

同じような経験したことある人いませんか?