横浜での話。

中学生くらいの男の子と母親が信号待ちをしていた。
見るからに大切に育てている息子。
でもマザコンチックであったり、教育ママ的でもなく、微笑ましい関係が見ただけで判る、そういう親子。

その時、信号待ちをしていた親子に車が突っ込んだ。
車は息子だけを轢き、母親は呆然と立ちすくんでいた・・・。

周囲の人々が、車の下敷きになった息子を助け出し、救急車を呼び、辺りは人々が取り囲み騒然とした。
息子の腕はちぎれ、足は関節がいくつも出来たように折れ、その顔は苦痛に歪んでいる。

助かるかどうかは判らないが、とりあえず今は生きている・・・。

すると母親が突然叫んだ。

「殺しましょ、ね、殺しましょ。このまま生きていても苦しいだけだし、腕もどっかいっちゃったし、足も変だし、殺しちゃいましょうよ、ね、ね、ね!!」

母親は周囲の人々に訴えかける。

救助活動をしていた市民が母親に「お前それでも母親か!」と言っても、「殺しましょ。もう一回車で轢いてよ!」と。

その後は救急車が来て、どうなったかの顛末は判らない。