これは俺が調査員として事務所に所属していたころの話。
山とはちょっと違うかもしれないけど、山の中でのお話だったので。
その当時はストーカー関係の依頼が激増していたころで、自分が先輩たちと担当したその案件も、ストーカーを止めさせて欲しい・・・という中年男性から依頼だった。
ストーカーはその依頼者に身体的な危害を加えたりするわけではないらしい。
ただずっと後を付いてきたり、家の周りに出没して監視しているだけだそうだが、奥さんがその話を依頼者から聞き非常に怯えているとのことで、何か被害が出る前に食い止めたいとのことだった。
山とはちょっと違うかもしれないけど、山の中でのお話だったので。
その当時はストーカー関係の依頼が激増していたころで、自分が先輩たちと担当したその案件も、ストーカーを止めさせて欲しい・・・という中年男性から依頼だった。
ストーカーはその依頼者に身体的な危害を加えたりするわけではないらしい。
ただずっと後を付いてきたり、家の周りに出没して監視しているだけだそうだが、奥さんがその話を依頼者から聞き非常に怯えているとのことで、何か被害が出る前に食い止めたいとのことだった。
さっそく調査に入り、依頼者を追尾しながらストーカーが現れるのを待った。
しかし、1週間経っても2週間経ってもまったくストーカーは姿を現さない。
とりあえずそこまでの経緯をストーカーらしき女性が姿をまだ見せていないことを中間報告すると、「え?ずっと付いてきてたじゃないですか!」と言う。
しかし、追尾中に撮影した映像にもそれらしき人物はまったく映っていない。
それらしき人物が見えないことに疑問を持ちながらも「とりあえず調査は継続しますか?」との問いに、「お願いします」とのことだったので調査を継続。
すると追尾を継続しはじめて2日目にようやく依頼者をずっと尾行する“それらしき人物”が現れた。
すぐに写真とビデオで撮影してその夜、依頼者に報告すると同時に、先輩にその女性をそのまま尾行してもらったが、途中で失尾し身元はわからず・・・。
報告を受けて写真と映像を見た依頼者は「その女性です」と青ざめた顔でうなずいた。
そして次の日もその女性は現れた・・・。
車を依頼者の家の近くに停めたまま依頼者の家を監視していたので、車のナンバーから陸運局に問い合わせるも、そのナンバーで登録されている車両はないとのこと。
そして今度は俺と先輩で尾行開始。
車は県境のとある山に入っていった。
深夜の山道なので通る車もほとんどなく、走ってる車はそのストーカーと俺たちの車のみ。
すると途中で舗装されていない山道にストーカーの車が入っていった。
距離は開けていたもののそんな状況だったから気づかれたか?と思い、山道の入り口から少し離れたところで車を停車したが、ストーカーの車は出てくる気配はない。
「車で入っていくと気づかれるから徒歩で道が通じてるのか確認してきてくれ」と言われ、正直、嫌だったが少し藪の中を歩きつつその道沿いを歩いていくとストーカーの車が止められた一軒の家がそこにはあった。
家は風雨にさらされぼろぼろ・・・ほとんど廃墟だ。
「こんなところに住んでるのか・・・」
家に電気はついていない・・・。
だが車は停止しているしここから先に道はない。
「この家にいるんだろうか・・・?」
しばらく(20分くらい)藪に隠れて家の様子を窺っていると突然、家の中から「あぃぃぃぃぃ~~~っ」とすさまじい絶叫のような声が聞こえてきた。
動揺していると再び「ひぎぎぎっ・・・げごっ・・・るぅぅぅ~~~。えげっ」と、すさまじい絶叫でした。
俺は何が起きてるのかわからず、ただ怖くてそのまま逃げて車に戻った。
そして車までたどり着いたらそこに先輩の姿はなかった。
車内で待機してたはずなのにどこへ?と思い「先輩!どこにいるんですか!」と声をあげた瞬間、「ピリリリリリリ・・・」と無機質な携帯の着信音が道路わきの茂みの中から聞こえてきたんです。
ん?と思い茂みを見るとそこに携帯が落ちていて、それは先輩の携帯でした。
拾って出てみると「・・・だ・・だ・・・じゅ・・・け・・・けくっ」と声がしたと思ったら切れてしまった。
掛け直そうとすると圏外になっていました。
車内にいるはずの先輩がいない、携帯が茂みに落ちていた。
今の携帯での通話。
そしてさっきの家での絶叫。
まさか・・ストーカーに連れていかれて・・・?
最悪の事態が俺の頭をよぎり恐怖でたまりませんでした。
本当に怖かったんです・・・あの絶叫。
そして圏外であるにも関わらずなぜか鳴った先輩の携帯。
どこからか掛かってきたかもわからない電話。
そこから聞こえてきた先輩らしき声・・・。
なにかが起きた・・・。
もうパニックで逃げようと思いながらも、先輩を見捨てることもできずに車の中でドアにロックをしてずっと泣きながら震えていました。
そして朝になっても先輩は戻ってこなかった・・・。
その頃にはある程度開き直りのような気持ちもでてきていて、何があったのか確かめたくてあの家へ向かいました。
家に向かうとあのストーカーの車はまだ停車したままでした。
「まだいるのかもしれない・・・」
そう思いながら家に入ると、そこはなにもありませんでした。
というよりは人が入ったような形跡すら全くなかったんです。
確かにあの絶叫が聞こえたのは家の中からでした。
不思議に思いながら家中を見て回ってもただの廃墟。
そしてストーカーの車を見てみると、その車自体ももう何年も運転したような形跡がなく、車内は荒れ果てていました。
「そんなバカな!」と思って見ても何も出てこず、事務所へそのまま帰還。
報告して先輩がなんらかの事件に巻き込まれた可能性もあるとのことで後日再びほかの先輩と現場に向かいましたが、やはり何もありませんでした。
先輩の家族から失踪届けが出されたものの何も進展はなく、警察に通報もしましたが事件性なしとのことで捜査もありませんでした。
先輩の同僚の間で探そうという声も出ましたが、探すことはありませんでした。
なぜなら手がかりがまったくなかったんです。
あのストーカーを撮影した写真、ビデオ。
すべてのモノからあのストーカーだけそこから抜け出てしまったように消えていたんです。
確かに写っていたことはたくさんの仲間が確認したはずなのに・・・。
そして依頼者の前にもそのストーカーが姿を現すことは二度とありませんでした。
あのストーカーは霊だったのか?
そして先輩はどこへ行ってしまったのか今でもわかりません。
しかし、1週間経っても2週間経ってもまったくストーカーは姿を現さない。
とりあえずそこまでの経緯をストーカーらしき女性が姿をまだ見せていないことを中間報告すると、「え?ずっと付いてきてたじゃないですか!」と言う。
しかし、追尾中に撮影した映像にもそれらしき人物はまったく映っていない。
それらしき人物が見えないことに疑問を持ちながらも「とりあえず調査は継続しますか?」との問いに、「お願いします」とのことだったので調査を継続。
すると追尾を継続しはじめて2日目にようやく依頼者をずっと尾行する“それらしき人物”が現れた。
すぐに写真とビデオで撮影してその夜、依頼者に報告すると同時に、先輩にその女性をそのまま尾行してもらったが、途中で失尾し身元はわからず・・・。
報告を受けて写真と映像を見た依頼者は「その女性です」と青ざめた顔でうなずいた。
そして次の日もその女性は現れた・・・。
車を依頼者の家の近くに停めたまま依頼者の家を監視していたので、車のナンバーから陸運局に問い合わせるも、そのナンバーで登録されている車両はないとのこと。
そして今度は俺と先輩で尾行開始。
車は県境のとある山に入っていった。
深夜の山道なので通る車もほとんどなく、走ってる車はそのストーカーと俺たちの車のみ。
すると途中で舗装されていない山道にストーカーの車が入っていった。
距離は開けていたもののそんな状況だったから気づかれたか?と思い、山道の入り口から少し離れたところで車を停車したが、ストーカーの車は出てくる気配はない。
「車で入っていくと気づかれるから徒歩で道が通じてるのか確認してきてくれ」と言われ、正直、嫌だったが少し藪の中を歩きつつその道沿いを歩いていくとストーカーの車が止められた一軒の家がそこにはあった。
家は風雨にさらされぼろぼろ・・・ほとんど廃墟だ。
「こんなところに住んでるのか・・・」
家に電気はついていない・・・。
だが車は停止しているしここから先に道はない。
「この家にいるんだろうか・・・?」
しばらく(20分くらい)藪に隠れて家の様子を窺っていると突然、家の中から「あぃぃぃぃぃ~~~っ」とすさまじい絶叫のような声が聞こえてきた。
動揺していると再び「ひぎぎぎっ・・・げごっ・・・るぅぅぅ~~~。えげっ」と、すさまじい絶叫でした。
俺は何が起きてるのかわからず、ただ怖くてそのまま逃げて車に戻った。
そして車までたどり着いたらそこに先輩の姿はなかった。
車内で待機してたはずなのにどこへ?と思い「先輩!どこにいるんですか!」と声をあげた瞬間、「ピリリリリリリ・・・」と無機質な携帯の着信音が道路わきの茂みの中から聞こえてきたんです。
ん?と思い茂みを見るとそこに携帯が落ちていて、それは先輩の携帯でした。
拾って出てみると「・・・だ・・だ・・・じゅ・・・け・・・けくっ」と声がしたと思ったら切れてしまった。
掛け直そうとすると圏外になっていました。
車内にいるはずの先輩がいない、携帯が茂みに落ちていた。
今の携帯での通話。
そしてさっきの家での絶叫。
まさか・・ストーカーに連れていかれて・・・?
最悪の事態が俺の頭をよぎり恐怖でたまりませんでした。
本当に怖かったんです・・・あの絶叫。
そして圏外であるにも関わらずなぜか鳴った先輩の携帯。
どこからか掛かってきたかもわからない電話。
そこから聞こえてきた先輩らしき声・・・。
なにかが起きた・・・。
もうパニックで逃げようと思いながらも、先輩を見捨てることもできずに車の中でドアにロックをしてずっと泣きながら震えていました。
そして朝になっても先輩は戻ってこなかった・・・。
その頃にはある程度開き直りのような気持ちもでてきていて、何があったのか確かめたくてあの家へ向かいました。
家に向かうとあのストーカーの車はまだ停車したままでした。
「まだいるのかもしれない・・・」
そう思いながら家に入ると、そこはなにもありませんでした。
というよりは人が入ったような形跡すら全くなかったんです。
確かにあの絶叫が聞こえたのは家の中からでした。
不思議に思いながら家中を見て回ってもただの廃墟。
そしてストーカーの車を見てみると、その車自体ももう何年も運転したような形跡がなく、車内は荒れ果てていました。
「そんなバカな!」と思って見ても何も出てこず、事務所へそのまま帰還。
報告して先輩がなんらかの事件に巻き込まれた可能性もあるとのことで後日再びほかの先輩と現場に向かいましたが、やはり何もありませんでした。
先輩の家族から失踪届けが出されたものの何も進展はなく、警察に通報もしましたが事件性なしとのことで捜査もありませんでした。
先輩の同僚の間で探そうという声も出ましたが、探すことはありませんでした。
なぜなら手がかりがまったくなかったんです。
あのストーカーを撮影した写真、ビデオ。
すべてのモノからあのストーカーだけそこから抜け出てしまったように消えていたんです。
確かに写っていたことはたくさんの仲間が確認したはずなのに・・・。
そして依頼者の前にもそのストーカーが姿を現すことは二度とありませんでした。
あのストーカーは霊だったのか?
そして先輩はどこへ行ってしまったのか今でもわかりません。
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