あまり怖くない話だが時間があるやつは聞いてくれ。

1週間ほど前の話なんだが、先輩と飲んでた時のことなんだ・・・。
その日二人で遅くまで飲んでてそろそろ「帰るか?」って話になったんだ。
長いこと飲んでたのでタクシーも出ないとのことで、お互い家も遠くないから徒歩で帰ることにしたんだ。
その先輩の家と俺の家は逆方向なんだけど、遅くなったしかなり飲んでるから途中まで遠回りして先輩が見送ってくれたんだ。

そして二人で歩きながら普段は通らない道(近道)を通り、ちょうどお互いの家の中間辺りで別れることとなったのだが・・・その近くに地元では色々噂のある公園があるんだ。
俺はその先輩が霊感あることを以前から知っていたし、時間も時間なので内心その公園の前を通るのを心配してたのだが、酔いのせいもあり、それ以上気にはしないことにしていたんだ。

そして別れ際「見送り有難うございます、気をつけて帰って下さい」と先輩に言いお互いの帰路に目を向ける瞬間、偶然二人とも公園に目を向け黙りこんでしまったんだ。
その理由は何か黒い人影のようなものが2体、その公園の前でうろうろしてたんだ。
その瞬間先輩は「あっ!」と一言いったのだが、それ以上は言わず「じゃ~な」と言い家に向かって歩きだしたんだ。

たぶん先輩も俺と同じようなものを見たんだと思い、俺も気になったので次の角まで見送ることにしたんだ。
先輩は最初に俺が見た影の辺りを避けるように歩き角を曲がって帰っていったのを見て何も無いことを確認し、俺も帰ることにした・・・。
もちろんその人影が動かないことも確認してからだ。

俺も一人になりしばらく歩いていると妙に後ろが気になる・・・。
というか、後ろから何か『ペタペタ』と音がする・・・。

(まぁ、夜明け前だし野良犬でも歩いてるのだろう?)と自分に言い聞かせ、振り向きもせず歩いていった。

振り向かないのはさっきのこともあり内心怖かったんだ。
正直、後ろの音も最初聞こえた音より大きくなっていたんだ・・・。
ちょうど子供が歩く足音のような『ペタペタ、パタパタ』といったような音が一定間隔を保ちながら後ろから迫ってくるのだから・・・。

気にはなるが、なぜか振り向いてはいけない気がしたので前だけ見て小走りでなんとか帰宅。
家へ着くなりすかさず台所へ行き塩を持って玄関へ行き、自分の体を含め辺りへ塩を振り鍵を閉め部屋へ戻ろうとした瞬間、庭先から子供の声で「なぁ~んだ、ここまでか・・・」と一言聞こえ、小走りしたのとは別の汗が全身を覆ったのでした。

その後、布団へ潜りいつの間にか寝ていたようで何事も無かったけど、後日先輩と会ってその日の出来事を話すと先輩はもっと大変だったようで、先輩はあまり多くを語ろうとしませんでした。
聞き出せたらまた投稿します。