久々に故郷に戻って近所の神社に行くと、立入禁止のロープが張られていた。

子供の頃は無かったが、たぶん昨今の風潮で事故防止の為に張られたんだと思う。
神社は急な石階段の上にあるんだが、確かに階段で転んで落下すればヤバイ高さ。
その時は、ロープをくぐってまで入るのも何だと思って入らなかった。

2日後、夕暮れ刻に神社の前を通るとロープが無くなっていた。
チャンスと思って階段を上り、神社に着くと子供の頃と変わらない景色があった。

小さな敷地にお社があって、その左右に狛犬がある。
お社の裏手にはタラの木が生えていて、俺はタラの芽があれば取って帰ろうと思い裏手に回ってみた。
子供の頃は短い草薮だったが、今は大人の俺と同じ背丈くらいに伸びている。
掻き分けて進んだが、タラの木があった所には何も無くなっていた。
だが、帰ろうとすると、そこから少し離れた所に石碑が建っていることに気付いた。

石碑は子供の背丈より少し大きいくらいで、長方形の墓石にも見えた。
碑銘も台座も無い、杭のように地面に打ち込まれた感じの石碑。
よく観察すると小さな文字が刻まれていて、年月日と思われる数字だった。
数字だけなので、それが何なのかは全く分からなかったが、上から下に少しずつ年数が大きくなっているのは分かった。

416.8くらいから始まってて、下まで追って行くと地面との境までずっと続いている。
確認出来た一番下は、2013.4だった。
その下にも一つあったが、半分くらい埋まっていてよく分からなかった。

なんだかインカ帝国の予言みたいな感じでちょっと怖いんだよね。