マンホールって怖くね?
だって『人の穴』だぜ?
なんかオカルティックな響きじゃん。
いや、マジで『人の穴』だぜあれは。
なんて語るのはオレの人生の師であるJ先輩。
色々な仕事を転々としていて人生経験の豊富なそのJ先輩は、そんな感じでマンホールの中に潜る仕事をしていた時に体験した話を語り始めた。
マンホールの中に潜って点検だのなんだのをする。
そんな陰気な仕事に就いて三日目のことだったそうだ。
新人ってことで仕事の先輩といつも一緒に行動してたらしいんだが、その先輩が急に来られなくなったとかで、その日J先輩は他の助っ人さんが来るまでマンホールの前で待機していたんだそうな。
だって『人の穴』だぜ?
なんかオカルティックな響きじゃん。
いや、マジで『人の穴』だぜあれは。
なんて語るのはオレの人生の師であるJ先輩。
色々な仕事を転々としていて人生経験の豊富なそのJ先輩は、そんな感じでマンホールの中に潜る仕事をしていた時に体験した話を語り始めた。
マンホールの中に潜って点検だのなんだのをする。
そんな陰気な仕事に就いて三日目のことだったそうだ。
新人ってことで仕事の先輩といつも一緒に行動してたらしいんだが、その先輩が急に来られなくなったとかで、その日J先輩は他の助っ人さんが来るまでマンホールの前で待機していたんだそうな。
時刻は朝の五時頃。
人通りの少ない東北のド田舎の国道の真ん中に立ち尽くしてるのは、とてつもなく寂しい。
目覚めのブラックコーシーでも買ってこようかな?なんて考えながら助っ人さんを待っていたそうな。
で、まぁ、想像して貰えば分かる通り、助っ人さんって言ったら本来非番の人だ。
朝の五時、仕事も無いのに起きてる人なんてまずいない。
一応連絡は付いたみたいだけど、急な話だから助っ人さんが到着するのはかなり時間がかかるだろうってのは、J先輩にも分かった。
だからその時間を有効活用しようと思って、J先輩は一人でマンホールの中に潜ることにしたんだと。
早いとこ仕事に慣れたいってのと、生まれ持った出世欲がJ先輩をその場に縛り付けて置かれることを許せなかった云々。
そんなわけでマンホールに一人で降りていったんだそうな。
ヘッドライトつけて、梯子降りて、着水。
頭の中にだけ存在するサブマシンガンを構えて、気分はドイツ辺りの特殊部隊。
これから「ルビコン計画を発動する!」とかほざきながら、下水の中をじゃばじゃばとやんちゃに歩き始めた。
本当ならわざわざ下水になんか入らなくても、脇を歩けばいいものを仕事の先輩が居ないからってやりたい放題。
まさに悪ガキ。
そうやって特殊部隊ごっこをしながら二つくらい角を曲がった時、“そいつ”を見たんだと。
最初は西瓜が浮かんでると思ったらしい。
丸くて、ツルツルして、しましまだったから。
でも、それが西瓜じゃないってのはすぐに分かった。
水面から出てる上半分。
ヘッドライトの光に浮かんだのは、薄い茶色のぶよぶよした表面。
そして、ヘッドライトに反射するようにチカチカ光る二つの目。
「ぶくぶく」って、それの周りが泡立って、「ざばぁっ!!!」って、それが立ち上がった。
最後まで見る勇気なんかへたれのJ先輩には無かった。
速攻Uターン。
特殊部隊っつうか敗残兵みたいにうろたえながら、必死こいてマンホールから這いずり出たそうな。
で、ほうほうのていで逃げ帰ったJ先輩は勿論翌日に辞表を届けた。
いやぁ、マジで「マンホール」に「マン」が居るとは思わんかったわ。
J先輩はそんな感じで話を締めくくった。
でもさ、それって本当に「マン」か?
本当に「ヒューマン」なんか?なぁ、どうなん?
人通りの少ない東北のド田舎の国道の真ん中に立ち尽くしてるのは、とてつもなく寂しい。
目覚めのブラックコーシーでも買ってこようかな?なんて考えながら助っ人さんを待っていたそうな。
で、まぁ、想像して貰えば分かる通り、助っ人さんって言ったら本来非番の人だ。
朝の五時、仕事も無いのに起きてる人なんてまずいない。
一応連絡は付いたみたいだけど、急な話だから助っ人さんが到着するのはかなり時間がかかるだろうってのは、J先輩にも分かった。
だからその時間を有効活用しようと思って、J先輩は一人でマンホールの中に潜ることにしたんだと。
早いとこ仕事に慣れたいってのと、生まれ持った出世欲がJ先輩をその場に縛り付けて置かれることを許せなかった云々。
そんなわけでマンホールに一人で降りていったんだそうな。
ヘッドライトつけて、梯子降りて、着水。
頭の中にだけ存在するサブマシンガンを構えて、気分はドイツ辺りの特殊部隊。
これから「ルビコン計画を発動する!」とかほざきながら、下水の中をじゃばじゃばとやんちゃに歩き始めた。
本当ならわざわざ下水になんか入らなくても、脇を歩けばいいものを仕事の先輩が居ないからってやりたい放題。
まさに悪ガキ。
そうやって特殊部隊ごっこをしながら二つくらい角を曲がった時、“そいつ”を見たんだと。
最初は西瓜が浮かんでると思ったらしい。
丸くて、ツルツルして、しましまだったから。
でも、それが西瓜じゃないってのはすぐに分かった。
水面から出てる上半分。
ヘッドライトの光に浮かんだのは、薄い茶色のぶよぶよした表面。
そして、ヘッドライトに反射するようにチカチカ光る二つの目。
「ぶくぶく」って、それの周りが泡立って、「ざばぁっ!!!」って、それが立ち上がった。
最後まで見る勇気なんかへたれのJ先輩には無かった。
速攻Uターン。
特殊部隊っつうか敗残兵みたいにうろたえながら、必死こいてマンホールから這いずり出たそうな。
で、ほうほうのていで逃げ帰ったJ先輩は勿論翌日に辞表を届けた。
いやぁ、マジで「マンホール」に「マン」が居るとは思わんかったわ。
J先輩はそんな感じで話を締めくくった。
でもさ、それって本当に「マン」か?
本当に「ヒューマン」なんか?なぁ、どうなん?
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