三年ほど前、バイト先から自転車で帰ってた時の話。

夜の8時頃だった。
自動車が一台通れるくらいの住宅街を走ってた。
時間帯もあって人通りはない。

十字路を曲がるとすぐ後ろか古い自転車のギコッガシャッガシャッという音がした。
バイトで疲れてのろのろ運転だったんで後ろの人が追い越せるように俺は道の左に寄った。
でも追い越すどころか距離を詰めてきやがった。

ぶつかるんじゃないか?ってくらいすぐ真後ろでガシャッガシャッ音がした。

俺は“もしかしてこいつひったくり犯か”と思ってスピードを上げた。

相手は古そうな自転車だし一気に走れば引き離せるだろうと思った。
だがそいつもスピードを上げたのかガシャッガシャッという音は離れない。

イラっとして全速力で走った。

途中でカバンからパキッと音がしてそっちに気を取られてスピードが緩んだ。
ちょうど通りに出たところ止まらざるを得なかった。

ひったくり野郎?も止まったみたいでそいつの顔を拝んでやることにした。
何かしてきたら殴るくらいは出来るよう大勢も整えて振り返った。

そこには誰もいなかった・・・。

辺りを見回してもそれらしき自転車はいない。
Uターンしたなら後ろ姿が見えるはずだし、追い越されたら気づかないわけがない。
あんなガシャッガシャッ音を立ててたんだから・・・。

疲れすぎて幻聴でも聞いてたのか?
俺はまたのろのろ運転で家に帰った。

家についてカバンの中身を取り出した。
さっきしたパキッは携帯が壊れたんじゃないかと確認しかたが異常なし。
最後に内ポケットからお守りを出した。

他にパキッなんて音がしそうなものはこれしかない。
触ると明らかに縦2つに割れていた。

あの自転車が何かは分からんが・・・もしかしたら得体の知れないものだったのかもしれない。

お守りが守ってくれたんじゃないかと思ってる・・・。