友人が体験した、幽霊って本当に痛いとこ狙ってくるのな、っていう話。
差し障りないとこははしょって書くんで勘弁。

友人(以後A)は高校出てから他県で就職して一人暮らしを始めた。
そろそろその暮らしにも慣れてきた頃、おかしなことが起き始めた。
まずは、マンションのエントランスで人影を見た。
一瞬だったけど、何かしらの違和感を感じて妙に印象に残ったらしい。

さらに、次の日Aが帰ってくると、靴が廊下へ向かって蹴っ飛ばされたように散乱している。
もちろん、おかしいとは彼も思ったそうだが、その日は疲れていたせいもあって靴を適当に戻して寝てしまった。

それからというもの、ほぼ毎日物が勝手に移動していたり、おかしなことになっていたりした。
個人的に俺が印象に残ったのは、「朝なくなっていた腕時計が、夕方に冷凍庫から出てきた」ってやつ。
正直聞いたときは爆笑した。
Aは誰かが部屋に忍び込んでいるんじゃないかと、合鍵の隠し場所や、部屋のドアに細工したりしたが、どうもそうじゃないらしい。

ここでようやく「あ・・・幽霊か?」となったわけだ。
ただ本人にはそれ関係が全く思い当たらない。
そういう場所にも行ってなければ、この部屋にもそういう噂はなかった。

「全く・・・実害ないにしたって毎日毎日ちょっかい出されたんじゃ敵わない。しかもこんな子供のいたずらレベルの」と、ここまで考えて、やっと心当たりがあった。

「まさか・・・」

それは人影を見たあの日の朝、通勤する際に所用でいつもとは違う道を通ったそうだ。
ふと交差点の反対側に男の子が立っている。
しかも彼の前ある電柱には花束とジュースなんかが供えてある。

「あぁ・・・友達が亡くなったのか・・・可哀想に」

信号が変わって渡るときに中程で男の子とすれ違った時、ばっちり目が合った。

「見てたの気づかれてたかな・・・」

「あのときの奴かっ、むしろあのときのガキがそうじゃねぇのか!?」と思ったとき、突然の金縛り・・・。
Aはパニックに陥った。すると慌てる彼の視界を何かが遮った。

手だ、冷たい子供の手。

「ペチッ」

「っ?!」

片手が一瞬離れたかと思うと、額を叩かれた。
何度も何度も叩いてくる。
くすくすと笑い声が聞こえる。

「遊んでやがる・・・」

苛立ちを覚え、「いい加減にしろっ!」と怒鳴り起き上がれた。

「毎日毎日イタズラ仕掛けやがって!このクソガキ!ぶっ飛ばすぞ!」そう吐き捨てた時、頭上を何かが飛んで床に落ちて砕けた。

砕けたのは棚に飾ってあったガンプラ・・・。
しかも結構な手間暇掛けて作った力作・・・。

「だぁぁぁぁぁ!俺の◯◯がぁぁぁぁぁ!」

バラバラになったそれを呆然と見ていると後ろから『今のは面白かったよ・・・』と。

それ以降、Aの身には何も起きてないそうですが、彼曰く「幽霊って・・・怖いだろ?」だそうです。
写真でプラモ見せてもらいましたが、無惨でしたwww