もうかれこれ20年以上前に体験した実話。

当時の悪仲間と一緒に夜中肝試しをするのが週末の楽しみだった。
通っていた中学にはいろいろとその手の怖い噂話があって、古い木造校舎には自殺した生徒の幽霊が出るってのが一番有名だったと思う。
その木造校舎には音楽室なんかがあって、ここももちろん出るとの話。

俺達は確かめるべく深夜1時を過ぎた頃に仲間数人で学校へ到着。
正面玄関前を通り過ぎゆっくりと木造校舎の音楽室側へ進んでいくと、何やら白っぽい変なモヤみたいなのが見える・・・。

音楽室から校庭へ出る小さな石段(3段くらいのやつ)があるんだけど、そこにそいつは居た!

ある程度近づくと、さっきまで白っぽいモヤにしか見えなかったやつがいくらかはっきりと見えてくる。
髪は肩くらいまでのおかっぱで、石段の上に体育座りしてるんだけど、顔だけを横向きにし明らかに俺たちの方を向いている。
だけど、不思議なことに目や鼻、口なんかまるでないのっぺらぼう。

俺達は一定の距離から進めず、恐怖のあまりほぼ固まりかけていた。
数メートル先に居るそいつが今にも立ち上がり追いかけてきそうだったから。

さすがにこれ以上はヤバイだろって全員の意見が合致し、少しずつ後ずさりを始めた時に「ドン!ドン!ドン!ドン!」って正面玄関のドアが大きく4回叩かれた!

これにはマジで全員ビビってチャリンコで猛ダッシュして逃げ帰ったよ。
あの白いおかっぱの顔無し女と叩かれた玄関はなんだったんだろ?
今でも謎のままだよ。