今から15年以上も前で小学5年生のころのこと。

帰りのホームルームをしているときに、何気なく教室後ろのドアに目を向けました。
すると、1~2年生くらいの女の子がドアの窓から教室を見ていて、私と目が合ったのです。

教室のドアには教室の中が見えるようガラスがついていますよね?
そのガラスの外から、女の子が教室を覗いていたのです。

女の子はにっこりと笑っており、私と目が合うと突然その場でしゃがんだのか姿が見えなくなりました。

私は、低学年の女の子が誰かと一緒に帰るために待っているんだな?くらいに思い特に不思議にも感じませんでした。

その後すぐにホームルームが終わり、一斉に生徒が廊下に出ていきました。
女の子がドアの外でまだしゃがんでいてぶつかるんじゃないかと思い、出ていくクラスメイトに「あぶないよ」っと声をかけようとしたのですが、女の子の姿はそこには見当たりませんでした。

まあ、たまたまそこを通りがかっただけかもしれないし、という程度で特にその後気にも止めませんでした。

あの女の子を見たのは5年生の冬で、それから数か月経った小学6年生の1学期ごろだったと思います。

学校の先生の研修というのですかね?私のクラス担任の授業を公開し、先生による授業参観のようなものがありました。
教室の後ろには15名以上は先生がいたと思います。

私は勉強は好きではなく、すぐにぼ~っとする生徒で、その日もどんな先生が来てるんだろ~っと先生方を見ていたのですが、先生と先生の間に、“あの女の子”がいたのです。

すぐに、「あのときの子だ!」と思いました。
あのときと同じく、にっこり笑ってこちらを見ていましたが、また先生と先生の間に隠れるようにしてまた見えなくなってしまいました。

このときはさすがに、授業中に他の生徒がいるはずない、何だったんだ!?と動揺しました。

まわりを見渡しても誰もあの女の子に気付いている様子はなく、友達に話したら変な子と思われるだろうと、誰にも話さずにいました。

補足すると、私が見た女の子は、背丈は110cmほど。
髪はおかっぱ、頬が赤くて、青いチョッキのようなものを着ていました。
冬の格好です。

服が当時の小学生が着るような感じではなく、ちょっと昔のような感じで、目撃した状況からして明らかに実在する子じゃない!と思い動揺したのです。

それからしばらくして、友達と何ということのない話をしていたときに、友達が「前にクラブの朝練習で早く学校に来た時、1年生の教室に女の子が一人で立っていたのを見たことがある」と話し始めたのです。

小学校では集団登校をしていましたが、その友達はクラブ活動のため集団登校をせずみんなより早い時間に来たとのことでした。
同じクラブの2、3人で1年生の教室前を通りがかったところ、女の子がぽつんと一人、こちらに背を向けて教室の中で立っていたというのです。

直感で、ひょっとして私が見た女の子と一緒かも?と思い、女の子の特徴を聞くと、背丈も髪型も似ており、やはり友達も「今の服装と少し違ったように思う」と言っていました。

その後これといったこともなく、卒業して今に至ります。
単に「不思議な子を見たようだ」というだけで、恐怖な話でもないのですが・・・。
女の子はすごく天真爛漫な感じで、かわいい顔をしていました。

実は、私が5年生になるときに、この小学校に転校しました。
前の学校の友達とも離れてさみしい思いをしていた時期です。

女の子を見たあとから仲のいい友達ができ、新しい学校に馴染むことができました。
都合のいい解釈ですが、女の子が見守ってくれているようでした。

ちなみに、転校先の小学校は当時で創立120年。
不思議な話は生徒や先生の間でも事欠きませんでした。

今でも時折小学校の前を通ると、あの女の子が子どもたちを見守っているのかな~と優しい気持ちになります。