小さい頃、今では大分マシにはなったものの、自分は喘息を患っていて夜中に病院に連れて行かれることも多かった。
よく発作を起こすもんで、行きつけの小児科でガラス製の吸引器で吸引させられてた。
ある日、その日は発作は出てはいないものの、日課となった吸引のために病院に行っていたんだが、その時は病院が混んでいたみたいで、T字路状の廊下の突き当たりに置いてある長椅子に母親と一緒に座って待っていた。
左手には受付、正面の通路の先には処置室、右手には5メートル先に両開きの鉄の扉があって、その扉の前に、細いステンレス製の支柱に黒いプラスチックの板が付けられた看板が立っていた。(その看板のプラ板の部分には紙が貼ってあって、立ち入り禁止的なことが書いてあったと思う)
しばらく長椅子に座って待っていたんだが、何となーく右手を見てみると、んっ?と思った。
なんとその看板が燃えていた。
よく発作を起こすもんで、行きつけの小児科でガラス製の吸引器で吸引させられてた。
ある日、その日は発作は出てはいないものの、日課となった吸引のために病院に行っていたんだが、その時は病院が混んでいたみたいで、T字路状の廊下の突き当たりに置いてある長椅子に母親と一緒に座って待っていた。
左手には受付、正面の通路の先には処置室、右手には5メートル先に両開きの鉄の扉があって、その扉の前に、細いステンレス製の支柱に黒いプラスチックの板が付けられた看板が立っていた。(その看板のプラ板の部分には紙が貼ってあって、立ち入り禁止的なことが書いてあったと思う)
しばらく長椅子に座って待っていたんだが、何となーく右手を見てみると、んっ?と思った。
なんとその看板が燃えていた。
普通なら建物の中で物が燃えているならそれだけで大騒ぎになるし、まだ誰も気づいていないにしても、テレビの16Vくらいの大きさの板が燃えていれば、異臭なり大量の煙が発生して、誰かが異常に気付くはずだ。
しかし、誰かが駆けつけてくる気配はないし、そもそもそのT字路の廊下はそこそこ看護婦が通ったりするのに、誰も異変に気付いていない様子で、それどころか隣に座っている母親すら、その炎に気づいていないみたいだった。
そのT字路を歩けば必ず看板は視界に入るような場所に置いてあるのに、誰も炎のことを気にも留めていなかった。
このまま放置していれば火が燃え移り、取り返しのつかないことになるのではないのか、と思ったが、何かがおかしい。
その炎から煙が出ていない。
それどころかパチパチと燃える音すら聞こえない。
看板の板をまるまる包み込む程の大きさの炎なのに、周辺の壁が焦げてすらいない。
第一、その炎の色がおかしい。
普通火の色は黄色なのに、その看板の炎の色が真っ黒。
正確には真ん中が黒く、ふちに行くにつれてグラデーションを掛けたかのように薄い緑色になっている形だ。
煙が黒いのではない、炎自体が真っ黒い色をしているのだ。
色のついた炎ならガスコンロや、理科の実験で見たことはある。
しかしそれは特殊な薬剤を燃やしていたからこそそのように燃えていたのであって、特殊な物質を使ってもいない
ただのプラスチックの板がそんな炎を出すのか?
それにその炎の動きもおかしい。
そのくらいの大きさの炎ならメラメラと燃え上がるはずだが、その黒い炎はまるで全体にスローモーションを掛けたかのようにゆっくりとユラユラ燃えていた。
まるでアニメのような非現実的な光景に唖然としていたが、当時はまだ幼稚園児にも満たない子供、誰も気にも留めていない様子に、世の中はそのようなもんなんだな、と幼いながらにそう納得してそれ以上追及しようとはしなかった。
その後処置を終えて、看板を確認することもなく家に帰ったのだが、そのあとその病院で火事が発生したという話は聞いていないし、何度かその病院に通ったが、件の看板は焦げた様子もなく、変わらずその扉の前に置かれたままだった。
今もその病院は存在しているし、その黒い看板も置かれたままであると思う。
1度、ある程度成長した時にその看板を近くで観察してみたが、変わった所はなく、ごく普通のプラスチック板だった。
あれは何だったのか?
今考えてみれば、物が燃えているのに誰も騒ぎもしないのは絶対におかしい。
だが、巷にあふれる不思議体験談を読み漁っていくうちに、同じような体験をした人間が複数存在することがわかった。
よく子供の脳は未熟であるが故に、奇妙な物を見てしまうと言われているが、果たして何のつながりもない複数の人間が、同じような物をみたりすることがあるだろうか。
もちろんその人達には黒い炎を見たことを教えてはいないし、今まで誰にもこのことを喋ったことすらない。
体験談によっては見ていると気分が悪くなった、と書かれていたり、あの黒い火は瘴気だとも言われている。
もしあの時、好奇心に駆られて触れたりしていたらどうなっていたのだろうか。
最近そのことを思い出し、黒い炎で検索してみた。以前は同じような体験談をちょこちょこ見かけたのに、現在はそのような体験談が一件も引っかからない。
誰か似たような体験をした人間はいないのか。
しかし、誰かが駆けつけてくる気配はないし、そもそもそのT字路の廊下はそこそこ看護婦が通ったりするのに、誰も異変に気付いていない様子で、それどころか隣に座っている母親すら、その炎に気づいていないみたいだった。
そのT字路を歩けば必ず看板は視界に入るような場所に置いてあるのに、誰も炎のことを気にも留めていなかった。
このまま放置していれば火が燃え移り、取り返しのつかないことになるのではないのか、と思ったが、何かがおかしい。
その炎から煙が出ていない。
それどころかパチパチと燃える音すら聞こえない。
看板の板をまるまる包み込む程の大きさの炎なのに、周辺の壁が焦げてすらいない。
第一、その炎の色がおかしい。
普通火の色は黄色なのに、その看板の炎の色が真っ黒。
正確には真ん中が黒く、ふちに行くにつれてグラデーションを掛けたかのように薄い緑色になっている形だ。
煙が黒いのではない、炎自体が真っ黒い色をしているのだ。
色のついた炎ならガスコンロや、理科の実験で見たことはある。
しかしそれは特殊な薬剤を燃やしていたからこそそのように燃えていたのであって、特殊な物質を使ってもいない
ただのプラスチックの板がそんな炎を出すのか?
それにその炎の動きもおかしい。
そのくらいの大きさの炎ならメラメラと燃え上がるはずだが、その黒い炎はまるで全体にスローモーションを掛けたかのようにゆっくりとユラユラ燃えていた。
まるでアニメのような非現実的な光景に唖然としていたが、当時はまだ幼稚園児にも満たない子供、誰も気にも留めていない様子に、世の中はそのようなもんなんだな、と幼いながらにそう納得してそれ以上追及しようとはしなかった。
その後処置を終えて、看板を確認することもなく家に帰ったのだが、そのあとその病院で火事が発生したという話は聞いていないし、何度かその病院に通ったが、件の看板は焦げた様子もなく、変わらずその扉の前に置かれたままだった。
今もその病院は存在しているし、その黒い看板も置かれたままであると思う。
1度、ある程度成長した時にその看板を近くで観察してみたが、変わった所はなく、ごく普通のプラスチック板だった。
あれは何だったのか?
今考えてみれば、物が燃えているのに誰も騒ぎもしないのは絶対におかしい。
だが、巷にあふれる不思議体験談を読み漁っていくうちに、同じような体験をした人間が複数存在することがわかった。
よく子供の脳は未熟であるが故に、奇妙な物を見てしまうと言われているが、果たして何のつながりもない複数の人間が、同じような物をみたりすることがあるだろうか。
もちろんその人達には黒い炎を見たことを教えてはいないし、今まで誰にもこのことを喋ったことすらない。
体験談によっては見ていると気分が悪くなった、と書かれていたり、あの黒い火は瘴気だとも言われている。
もしあの時、好奇心に駆られて触れたりしていたらどうなっていたのだろうか。
最近そのことを思い出し、黒い炎で検索してみた。以前は同じような体験談をちょこちょこ見かけたのに、現在はそのような体験談が一件も引っかからない。
誰か似たような体験をした人間はいないのか。
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