私は親の転勤の都合で各地を転々とし、その後、両親の実家のある関東に落ち着きました。
これは親戚のご好意で、私と叔父の家族と北関東にドライブに出掛けたときのお話です。

引っ越して間もなく、ちょうど暖かくなったGWだったと思います。
関東の地理は全く分かりませんでしたが、おそらく埼玉方面に父と叔父の運転する車2台で山道を登り、ハイキングコースに行きました。
たくさんの観光客がおり、年配やお子さんも結構、居たのでそれほど急な斜面ではなかったと思います。
山上か中腹の開けた場所に、仏像群があり何でも、あるお坊様が一人で掘ったとされるもので500体あるとのことでした。

当時、「写ルンです」がヒットし、デーモン閣下がCMに出ていた時期で、まだ家庭用の小型フィルムカメラを使ってる人もいた時代です。
フィルムをちょっと伸ばしてセットし、何枚かシャッターを巻いて使うタイプです。
シャッターを押す時、半分押し込んで覗いてからガシャッ!っと1枚撮れます。
私はそのタイプを使っていて風景やらバシャバシャ撮っていましたが、「この仏像達も撮っておこう!」と思ったらシャッターが下りない・・・。

はて?

何度か試しても、何か突っ支い棒があるみたく、初っから全く押し込めない。
試しに他の風景を撮るとちゃんと撮れる。

半押し→レンズ開く→押し込む→シャッター切る。

この一連の動作が何度やっても、仏像群に向けると半押し自体ができません。

従兄弟に「これ押せないんだけどやってみて」とカメラを渡して一連の動作をさせました。

「ほんとだ、おかしいよねえ?他は写せるのに何で?」ってお互い首を傾げていました。

なんとなく、「うーん、たぶんこの人達は撮られたくないんだね・・・」と、自然というか曖昧なまま話は終わりましたが、その時、ふっと〝風景写すフリして、半押しでフェイントすれば彼らはびっくりするんじゃない?!〟と閃いたけど、罰当たりな気がしてやめました。

それから心霊番組とかでよく、カメラが勝手に止まるとか、照明が落ちる現象をみるようになって、きっとそういうことなんだろうなあと思うようになりました。

その後、ハイキングの後、大きな池に寄り、ボート乗り場があって、私は1番下の従兄弟と乗っていました。
私がオールを漕いでいると、斜め前に大学生くらいの女性2人組がいました。
その時、1人がスカート姿で、低い体勢のせいで思い切り、生脚&白いパンツをモロに見たのはいい思い出です・・・。