以前、老人ホームで働いてた時の体験です。
消灯時間前、みんなを寝室なんかに案内するような時の話。

1人のお婆ちゃん(認知症、車椅子、基本的な生活動作は可、歩行は不可)が食堂にいましたが、職員が順番に各利用者を寝室に案内している最中、ふとお婆ちゃんがいないことに気づきました。
職員3人でフロア内を探しましたが見つからず、有り得ないと思いつつも別の階の職員に聞いて探してもらったら、なんと1つ下のフロアのトイレにいたそうです。

有り得ないのは、階を移動するためにはパスワードロックのかかった扉を開けないといけないこと、開けられても、階段をお婆ちゃんが下りることはできないこと。
エレベーターもあるが、操作するには同じくパスワードロックがかかっており、加えて鍵付きの蓋までしてあること。
下の階でも同じように消灯前で職員が歩き回っていたので、気付かないのはおかしいこと。
下の階は自立度の高い人(要はボケてない人)が多いから、気づく人もいたはずなこと・・・などなど。

結局は、職員がエレベーターを開けっ放しにしたためにお婆ちゃんがその隙に下に行ってしまった、ということで職員に注意が促されました。
が、上記のことからまず不可能なので、上司も含めてほとんどが納得してはいませんでした。
真相は不明ですが、下手に幽霊とか見るよりよっぽど怖かったです。