きさらぎ駅が最近話題になって、色々調べてたら自分が住んでる近くで起きてる話なんだなと思ったら過去に似たような話を聞いていた。
経過は違うが結果として「別の時空に飛ばされた」って話。

きさらぎ駅が有名になるもっと前の話で、なんでこの話を忘れていたんだろうって今思うと不思議で仕方ない。

大前提として自分は零感。
なんとなく嫌な感じがするなって程度にしか分からない。

今から20年前、当時働いていた工場で中途採用でEってお姉さんから聞いた話。

うちらの住んでる近所には昔から噂のあるO池と呼ばれる沼に近い池があった。
それと同じくらい有名な廃校があった。

O池と廃校は当時地元民はDQNでも近寄らないくらい肝試しとして有名で、更にもう一つ有名だったのが城の跡地だ。

この城跡地には絶対に夜には近づくなと言われる所以があって、お姉さんの同年代で城跡地で肝試しした奴らが生首見たとかで逃げ帰り、神社に相談したところ「城にはよっつの墓があるそこに墓参りをして騒がせたことを詫びろ」って言われ、昼間に城跡地に行ったが墓が見当たらない。

神主が適当なこと言ったのか?
もし適当だとしたら俺たちはどうしたらいいんだ?
・・・ってDQNが恐怖に震えてると墓を発見した。

けど墓なんてもんじゃなくて、四つの岩(石?)が並べられてるだけ。
なのにDQNたちの本能が「これがその墓だ!」ってお参りをし、帰り際一人が墓の方をみたら四つの生首がこちらを睨みつけてたって話が語り継がれていて、その話をお姉さんから俺は聞いた。

そんな話があったんだーと呑気に話聞いてたが、お姉さんは真剣な表情で「作り話だと思うなら思っていいよ、今から話すことは」と前置きして来た。

お姉さんの話はこうだった。
成人式を終えて、大学の冬休みを満喫し、昔から仲良い女友達三人と宅飲みしてた時のこと。
当然女友達の二人は城跡地の話も知ってたし、お姉さんは極度の怖がりなので心霊特番も見ないタイプ。
城跡地の話は全員が知っていたのに、誰かが「ねえ、城跡地に行ってみない?」と言い出した。

普段なら「絶対にいや」と言うはずのお姉さん。
なぜか「いいねー行ってみようか」と言ってしまったという。
あとから考ればこの時からおかしかった、と言ってたけど・・・。

20年も昔だと飲酒運転はそこまで厳しくなかった。
そもそも舐める程度にしかみんな酒を飲んでなくて、缶チューハイ一つとして誰も空けてない状態で、みんなほぼシラフだったそうだ。

それで走りなれた市内の道を車で城跡地を目指したが、何をどうやっても城跡地に着かない。
カーナビなんて当然なく、けど城跡地には近寄るなと周囲から言われていた為市内の道は走りなれていたのに、車は一向に城跡地を目前にどこかをグルグル回ってるだけ。

その内お姉さんが正気に戻って「ねえ、やっぱ行くのやめようよ」と言うと残りの二人も「そうだね・・・やっぱり怖いもん」と元来た道を引き返した。

しかし、元来た道を引き返したはずなのに、目の前には「◯城跡地」とでかい看板。
この瞬間車内のパニックは相当だったらしい。

行こうとしたら着かないのに、引き返そうとすると跡地が目の前に現れる。
けど誰も一言も出さずとにかく市内へ出ようと車をUターンさせるが、何をどうしても城跡地前に出る。
次第に車内のパニックは大きくなり、「誰よ跡地行きたいとか言ったの!」と友達の一人が叫んだが・・・。

そういえば、誰が言い出したのか全員心当たりがない。
心当たりがあるけど言い出さなかったのかも知れないが、それが一層恐怖を倍増させた。

一時間くらい跡地前にたどり着いてしまう恐怖のドライブを阿鼻叫喚で過ごし
T字路に接した時に「やった!市内に出られる!」とそれでも一応一時停止して様子を見てからT路地から出たが、けたたましいクラクションで車は急ブレーキ。

見ると目の前には驚愕の表情をした男性と、あと少しで接触事故起こすところだったお互いの車。

で、何がきさらぎ駅と似てるかっていうと、驚愕した男性曰くお姉さんたちの車は「空間から突然出てきた」ように見えたらしい。
男性は普通の市内を走っていたそうなんだが、いきなり目の前に車が現れて急ブレーキ、クラクション、とやったそうだ。

「君たちどこから出てきたの!?」と真っ青な表情して聞く男性に「T字路から・・・」というとお姉さんたちが乗ってた車の後ろにT字路なんてない。
ブロック塀があるだけ。
だから男性は「本当に空間からパッと車が現れた」と焦りに焦ったそうだ。

俺としてはこの「別次元に迷い込み、そして唐突に元いた時空に戻る」っていうのが・・・きさらぎ駅と似ている・・・と思って書き込んだ。

当時その話をしたお姉さんは「信じても信じなくてもいいけど◯城跡地に行くのだけはやめときな」とぼそっと言ったのと、普段なら怖い話は全部カット、聞きたくない、聞かない、と徹底してるお姉さんの話だから、なんとなく本当にあったことなんだろうなと思ってる。