大学生の息子の一学年上の女の子が、とあるオーディションに合格し芸能界デビューしました。
コマーシャルやバラエティで見かけることも増え、息子は「◯◯教室に通っていた時に一緒に写真撮っておけば自慢できたのになー」と言っていて、その流れで思い出したことを書きます。

息子が小学校低学年の時に始めた習い事の教室で出会った彼女。
もちろん可愛らしいお嬢さんではあったけど特に目立つ感じではなく、ごく普通の女の子。

息子の通っていた習い事教室は毎年市内のお祭りに参加していて、参加者千人規模のそのお祭りは2~30人程度のグループが何組も参加し揃いの浴衣を着て踊りながら大通りをパレードするというもの。
その習い事教室は小学校低学年から大人までいたので、パレードの並び順は若い女性たち→小中学生→残りの大人という感じで、中学生たちが目立つ位置にいるわけではない、というのがまず前提です。

息子が中学一年生の時のお祭りでの出来事です。
パレードは踊りながらゆっくりと進むので待ち時間も長く、自分たちのグループのパレードのスタート時間の30分以上前に集合して並んで待つ感じでした。

スタート前は、皆それぞれにおしゃべりしながら待っている脇を観光客たちは素通りしてパレードを見にいくのが毎年の普通の風景。
ところがその年は少し違っていて、結構な人数の若い男性たちがMちゃん(のちにデビューする女の子)と写真を撮りたがり、列を作って順番待ちをしてまでMちゃんとのツーショット写真を撮っていました。

確かにMちゃんは可愛らしいお嬢さんではあったけれど同じグループにも他のグループにも綺麗なお嬢さんたちはたくさんいるし、なにより観光客たちは普通は踊っている姿を写真に収めるものであって、パレードの待ち時間に写真を撮られまくりなのは異様な感じでした。

次の年のお祭り、中学三年生のMちゃんと写真を撮りたがる観光客はいなくて(それが普通ですが)、Mちゃんのお母さんと「去年の観光客たちにMちゃんが写真撮られまくりだったの、なんだったんだろーねー」と笑ったのを覚えています。

Mちゃんが中学二年生だったあの年、若い男性たちはなぜ、パレードが始まった会場ではなく順番待ちをしていたMちゃんの所に来て写真を撮りたがったのか?
他にも可愛い女の子はたくさんいたのに、なぜMちゃんを探しあてたように順番待ちをしてまで写真を撮ったのか?
そもそも派手なお祭りではないから見物客にはお年寄りや子供が多いのに、なぜ若い男性たちが示し合わせたように集まったのか?

彼らは知っていたんじゃないだろうか。
後にオーディションで数千人の頂点に立つことになる女の子がこの日この時間にパレードに参加することを。
普段なら断られるだろう見ず知らずの人とのツーショット写真も、この日なら雰囲気的にOKなことも。

未来からきたファンとでもいうのだろうか?