俺の地域の噂なんだが、こんな神社があるらしい。

なんでも自殺者の霊が集まるとかで、境内には赤い椅子と、向かいあった大きな鏡が祭ってあるらしく、一晩中その椅子に座って鏡の前で願掛けをすれば、その願いが叶うそうだ。

ただ、ルールがあって、夜が開けるまで決して後ろを振り向いてはいけないらしい。

願掛けの間、鏡に映る自分の背後には自殺者の霊が映りこみ、耳元で「こっちむけよ」と囁いたり、首を締めようとして必死に後ろを向かせようとするらしい。

そして耐えられずに、後ろを向いてしまうと、その自殺者の霊に取り憑かれてしまうらしい。

取り憑かれた奴が神社の階段を降りる途中、階段には無数の青白い顔が浮かんで、羨ましそうに取り憑かれた奴の背後をみているそうだ。

あくまでも噂だが、実際その神社には鏡と椅子が祭ってある。