おばあちゃんの残した怪談。

おばあちゃんが子供の頃、何か悪さをすると「とみおばさんになるよ!」と脅された。

とみおばさんとはお婆ちゃんの母親の末の妹で、中学生くらいの時に行方不明になったまま。

素行が非常に悪かった為、とみは悪さをしていたから神隠しにあった、と親族からもそんな言われ方だったらしい。(素行不良というのが、不純異性交際だったので、おそらく駆け落ちしたのだろうと、親族は呆れ半分で推測していたらしい)

お婆ちゃんが高校生の時、家が改築されることになり、中庭にあった井戸も塞がれることになった。

ある日左官屋が「お骨です」と青ざめながら家の者を呼びに来た。

家人が井戸に案内されると、井戸の底から若い左官屋が人間の骨を次々引き上げてくる。

井戸の底に、壁が一部えぐれたような窪みがあったのだが、そこに屈むような格好で引っかかっていたのはとみおばさんの骨だった。

30年近く、とみおばさんは誰にも発見されることなくその井戸の底にいたのだ。

死因、事故(?)の原因などは一切不明。

今も自分が住んでる家の基礎には、映画「リング」そっくりの蓋で閉じられた井戸がある。