昔住んでたマンションに自殺者が出た。
年のいったお婆さんだった。
手すりを乗り越えて飛び降り一階のエレベーターホールの屋根で遺体となって発見された。

オカルト系の話が好きなのもあって、その事件に自分は興味深々だった。
その遺体があった屋根を覗いたりお婆さん遺体の状態や飛び降りた場所の特定、なぜ自殺したかなど不謹慎ながら色々探ったりした。
繰り返している内にこれって怖いことだよなと思うようになった。

寝る時も頻繁にその事故を思い返し暗い部屋で周りをキョロキョロ。
見渡し何も居ないなと確認するようになった。

しかし怖いと感じるようになってから、自分の部屋の壁になんとなく違和感を感じるようになった。
電機を消して暗くし、怖くなって周りの様子を伺った時だけ、その壁にの様子がおかしい。

布団に寝ころぶと正面に見える白い壁。
それが何か膨らんでいるように見えるのだ。
錯覚と思い込んでいたそれは日が経つにつれてそれがだんだんその膨らみが前に出てくる。

くっきりでは無いんだけど3Dで映像を見た感じに近いかな、そしてその膨らみがちょうど人一人の大きさってことに気付いた。
たぶんお婆さんだってすぐに思った。

すぐそのことを親に言った。
信じてもらえないと思ったけどちゃんと対策法も言ってくれた。

「もうそのことを考えるのは止めとけ」と。
取り敢えず言う通りに実践して寝転んだらすぐ寝るようにした。
壁を見ないように気を付けて。

それを1ヶ月ほど続けていると恐怖も何も無くなっていた。

あれからそんな体験は無いけど恐怖って霊に伝わるんだろうなと思う。