中学の頃、夜遅く風呂入ってたら何か声のような音が聞こえてきた。
最初はカーチャンが俺のこと呼んでるのかと思ってたんだけど違ったのね。

それで不思議に思い、耳を澄まして聞いてみると、お婆さんのような声でお経を唱えている声だった。

そりゃもうね、ありえないくらい怖くて速攻風呂から上がったわけさ。
すぐにカーチャンに今起きたことを話してみても笑いながら取り合ってくれなかった。

仕方ないので恐る恐るもう一度風呂場に行ってみたけど、もうお経は聞こえない。

空耳かと思ったけど、納得いかなかったので、お経が聞こえた方向(風呂の外)に行ってみたら、家の隣に人が住んでない壊れかけの長屋があって、なぜかそこから光が漏れてる。

(なんだろ??)

そう思い隙間から中を覗こうとした瞬間、隙間から目のようなものがこっちを見てるのに気がついて、大絶叫しながら家の中に逃げ帰ったのよ。
そしたら、さすがに今回は俺の様子にカーチャンも心配したらしく、一緒に隣の長屋を見に行ってくれたんだけど、目どころか、光も漏れてないし、人がいる気配も全くなかった。

結局、カーチャンに「ふざけてないで早く寝なさい!!」って怒られただけ。

あれは、一体何だったのだろう・・・。

ちなみに、家に戻って電気消して布団に入ったらまたお経が聞こえてきたけど、布団の中でガクブルしてたらいつの間にかお経は聞こえなくなってた。