老人ホームの話怖かった。
ボケ老人ってそれでなくても怖い。
前に、おとん側のじいちゃんがそろそろヤバいらしいって聞いて、おかんと病院に見舞いに行った。
ついたら看護婦さんがあわてるでもなく「どうぞ。お顔見てあげてくださいね」ってカーテン開けてじいちゃんのベッドの横へ案内された。
「ずいぶんのんびりしてるな。容態安定したのかな?」と思ってカーテンの中に入っていった。
仰向けで寝てるじいちゃん。
じいちゃんは口あけてて目もうっすら開いてる。
でもぴくりとも動かない。
ボケ老人ってそれでなくても怖い。
前に、おとん側のじいちゃんがそろそろヤバいらしいって聞いて、おかんと病院に見舞いに行った。
ついたら看護婦さんがあわてるでもなく「どうぞ。お顔見てあげてくださいね」ってカーテン開けてじいちゃんのベッドの横へ案内された。
「ずいぶんのんびりしてるな。容態安定したのかな?」と思ってカーテンの中に入っていった。
仰向けで寝てるじいちゃん。
じいちゃんは口あけてて目もうっすら開いてる。
でもぴくりとも動かない。
???なんか様子変?と思ってたが、おかんはベッドの脇の椅子に『よいしょ』と腰かけて、じいちゃんをにこにこ見てる。
おかん「イスもう一個ないのかしらね?」
おかんが私の分の椅子を探してると、私の隣に立って様子をみてた看護婦さんが困ったように「あの・・・これから体きれいにしますから、少し病室の外で待っていて頂けますか?」と言ってきた。
え??凍りつく私とおかん。
カーテンの外に出ると、同じ病室内の他の入院患者のじいさんたちがみんなこっち見てた。
廊下に出ると父ちゃん側の親戚が神妙な顔で数人到着したとこだった。
おばさんなんかは泣いてた。
うちのおとんとおかんはだいぶ前に離婚してて、でもじいちゃんがヤバそうだって言うんで、おとんが昨日電話してきたらしい。
一緒に住んでたこともあるし、死ぬ前に一度見舞っとくか、とおかんが私をつれて翌日のこのこ見舞いに来たんだけど、実はその直前にじいちゃんは亡くなってしまったらしい。
看護婦さんは私たちを訃報を聞いて駆けつけてきた親族だと思ってたみたい。
廊下でおとん側の親族とおかんが微妙な空気になってて、いたたまれなくて私は周りを観察してた。
凄いぼろっちい二階建ての病院で、入院患者は“じじばばば”かりらしい。
二つ隣の病室からボケたじいさんの「みちこーーー!!!みちこーーー!!!」って叫び声とか、なだめる看護婦さんの声とか聞こえる。
何の気なしに廊下をそっちに向かってぶらぶら歩いて行った。
そこの病室のドアがあいてたので、通りすがりに病室の中をちらっと覗くとその瞬間「みちこーーー!!」の叫び声がピタっとやんで、ベッドの上で看護婦さんにおさええられながら、目と口を目一杯開いて固まってるじいさんと目が合ってしまった。
そそくさと病室の前を去ると、じいさんの叫び声!
「みちこーーーーー!!!」
さっきよりすごい絶叫が後ろから聞こえた。
すげえこわかったしドキドキした。
じいちゃんの病室へ戻るにはまたさっきの病室の前を通らないといけない。
でももう戻りたくなくて、廊下のはじっこまで行っておかんが来るのを待ってた。
しばらく待ってるとおかんがやってきて、いったん帰ろうということになった。
おとん側の親戚の中ですごく気まずいのに、あんたはどっか行っちゃうし、お父さんは来ないし・・・と帰り道でおかんにぶつぶつ文句を言われた。
「ボケ老人がすんごい叫んでたねー」
とおかんに言ったら「そうだった?気がつかなかったけど」とおかん。
あんな絶叫だったのに?おかんがてんぱってて周りの声が聞こえなかったにしても・・・。
なんかもうそれ以上話すのも嫌で、とにかく早く帰りたかった。
目見開いて、でかい口あけたじいさんが叫びながら追いかけてくるビジョンが浮かんじゃって(そんなわけないんだけど)たまに後ろ振り返りながら、びくびくして駅まで歩いた。
あんなじいさん知り合いじゃないし、偶然だとは思うんだけど、私の名前は「美智子」なんです。
洒落じゃなく、それ以来ボケ老人が怖い。
おかん「イスもう一個ないのかしらね?」
おかんが私の分の椅子を探してると、私の隣に立って様子をみてた看護婦さんが困ったように「あの・・・これから体きれいにしますから、少し病室の外で待っていて頂けますか?」と言ってきた。
え??凍りつく私とおかん。
カーテンの外に出ると、同じ病室内の他の入院患者のじいさんたちがみんなこっち見てた。
廊下に出ると父ちゃん側の親戚が神妙な顔で数人到着したとこだった。
おばさんなんかは泣いてた。
うちのおとんとおかんはだいぶ前に離婚してて、でもじいちゃんがヤバそうだって言うんで、おとんが昨日電話してきたらしい。
一緒に住んでたこともあるし、死ぬ前に一度見舞っとくか、とおかんが私をつれて翌日のこのこ見舞いに来たんだけど、実はその直前にじいちゃんは亡くなってしまったらしい。
看護婦さんは私たちを訃報を聞いて駆けつけてきた親族だと思ってたみたい。
廊下でおとん側の親族とおかんが微妙な空気になってて、いたたまれなくて私は周りを観察してた。
凄いぼろっちい二階建ての病院で、入院患者は“じじばばば”かりらしい。
二つ隣の病室からボケたじいさんの「みちこーーー!!!みちこーーー!!!」って叫び声とか、なだめる看護婦さんの声とか聞こえる。
何の気なしに廊下をそっちに向かってぶらぶら歩いて行った。
そこの病室のドアがあいてたので、通りすがりに病室の中をちらっと覗くとその瞬間「みちこーーー!!」の叫び声がピタっとやんで、ベッドの上で看護婦さんにおさええられながら、目と口を目一杯開いて固まってるじいさんと目が合ってしまった。
そそくさと病室の前を去ると、じいさんの叫び声!
「みちこーーーーー!!!」
さっきよりすごい絶叫が後ろから聞こえた。
すげえこわかったしドキドキした。
じいちゃんの病室へ戻るにはまたさっきの病室の前を通らないといけない。
でももう戻りたくなくて、廊下のはじっこまで行っておかんが来るのを待ってた。
しばらく待ってるとおかんがやってきて、いったん帰ろうということになった。
おとん側の親戚の中ですごく気まずいのに、あんたはどっか行っちゃうし、お父さんは来ないし・・・と帰り道でおかんにぶつぶつ文句を言われた。
「ボケ老人がすんごい叫んでたねー」
とおかんに言ったら「そうだった?気がつかなかったけど」とおかん。
あんな絶叫だったのに?おかんがてんぱってて周りの声が聞こえなかったにしても・・・。
なんかもうそれ以上話すのも嫌で、とにかく早く帰りたかった。
目見開いて、でかい口あけたじいさんが叫びながら追いかけてくるビジョンが浮かんじゃって(そんなわけないんだけど)たまに後ろ振り返りながら、びくびくして駅まで歩いた。
あんなじいさん知り合いじゃないし、偶然だとは思うんだけど、私の名前は「美智子」なんです。
洒落じゃなく、それ以来ボケ老人が怖い。
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