猫の話。

俺は生まれてこのかた猫と暮らしてる。
途切れたことが無くて、拾ったり貰ったりで今五匹目だ。
そんな猫たち、どうも俺を猫扱いする。

俺以外に二人兄弟がいるが、俺にだけ生きのいいネズミをプレゼントしてきたり(これで狩りの練習しろということらしい)、俺が髪を梳かしていると猫は母にブラッシングの催促して張り合ってくる。
他の兄弟はそんな事まったくないそうだ。
この間なんて野良猫にエサを譲られた。

そういう話を友人と飯食いに行ってる時話したら、坊さんになった奴が笑いながらこう言った。

友人「お前、たぶん魂が猫なんだよ。前世は畜生道で猫やってて、人間道にランクアップしたわけ」そして、「滅多にいないだろうけど、輪廻の中で畜生道から人間道に上がる奴もいるだろ。逆は多いがな」と。

「魂が猫って・・・」と他の奴らが笑っていると、その坊さん友人は、「この世も捨てたもんじゃないな。お前が坊さんになれば、名前を残せるくらいになったかもしれないぜ」と嬉しそうに言っていた。

どうやら俺は猫らしい。

不思議な話だ、全く。