友人の話。
学生時代、地元の有名な心霊スポットに、三人で出かけたのだそうだ。
そこは山奥の城跡で、もう石垣しか残っていない。
満月の夜、その石垣の上に奇怪なものが現れるという噂があった。
夜のドライブがてら、軽い肝試しの気持ちだったという。
着いてみると、月明かりの下、石垣の周りに十人くらいの人影がたむろしていた。
先客かと思ったが、どうも雰囲気が只事ではない。
どんなに目を凝らしても、姿形がはっきりと見えてこないのだ。
学生時代、地元の有名な心霊スポットに、三人で出かけたのだそうだ。
そこは山奥の城跡で、もう石垣しか残っていない。
満月の夜、その石垣の上に奇怪なものが現れるという噂があった。
夜のドライブがてら、軽い肝試しの気持ちだったという。
着いてみると、月明かりの下、石垣の周りに十人くらいの人影がたむろしていた。
先客かと思ったが、どうも雰囲気が只事ではない。
どんなに目を凝らしても、姿形がはっきりと見えてこないのだ。
影たちが作る円陣の中、一つの影が躍っていた。
踊りながら、大きな毬のような物を空に投げては受け止めている。
近寄るのを躊躇っていると、仲間の一人が青い顔で「もう帰る!」と言い出した。
仲間内でも霊感が強いと言われている彼の言に異論があろう筈もなく、皆逃げるようにそこを後にした。
帰路、今見たものの話になったが、やはり彼にははっきりと見えていたらしい。
そうか毬に見えたんだ。
あの毬な、髪の毛が生えてたぞ。
放り投げてる人、泣き出しそうな顔をしていたし。
街中の明かりの中に出るまで、皆無口になったという。
過去にその城でどんな合戦があったのか、調べるようなことはしていない。
踊りながら、大きな毬のような物を空に投げては受け止めている。
近寄るのを躊躇っていると、仲間の一人が青い顔で「もう帰る!」と言い出した。
仲間内でも霊感が強いと言われている彼の言に異論があろう筈もなく、皆逃げるようにそこを後にした。
帰路、今見たものの話になったが、やはり彼にははっきりと見えていたらしい。
そうか毬に見えたんだ。
あの毬な、髪の毛が生えてたぞ。
放り投げてる人、泣き出しそうな顔をしていたし。
街中の明かりの中に出るまで、皆無口になったという。
過去にその城でどんな合戦があったのか、調べるようなことはしていない。
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