前勤めていた会社で、休日出勤したときの話。

その会社5階建てで、4階は総務と、設計と、研究所のフロアだった。
その日、出勤していたのは、俺と研究所のYさんの2人だけ。
Yさんは、3階の談話室で書類の整理。(談話室のほうが仕事しやすいという理由で)
俺は、4階でCADに向かって図面描いていた。

午後4時くらいになって、薄暗くなった頃、隣の研究所のブースで、「キュルキュル・・・キュル」と、人が車輪付の椅子に座りながら、移動する音が聞こえてきた。
そのときは「あぁYさん4階上がって仕事してるんだ」くらいにしか思っていなかった。

しばらくして「そういやエレベータ開く音や、階段の扉開く音したっけ??」と思い、俺は急に怖くなり、CAD落として、慌てて3階に降りた。

俺「Yさん、さっき4階にあがってきてましたよね?」

Yさん「いいや。俺ずっとここに居たよ」

・・・俺はこの会社で、他に黒いスーツのおじさんの幽霊を何度か見ている。