深夜、がらがらの電車で帰宅した時のこと。

ふと気付くとドア前の床に何やらカラフルな物が。

(なんだろう?)

拾い上げてみたら、それは赤い錦のお守りでした。
紐がちぎれ、いくつか靴跡がついてしまってました。

踏まれるままにしておいては畏れ多いような気がして、吊り革の横に結び付けていたその時です。

「うむ、良いことをする。感心感心」

私の背後から、とてもほがらかなお爺さんの声が、はっきりと聞こえました。

びっくりして振り返っても誰も居ません。
遠くの座席で居眠りするOLが一人居るだけ。

あれは何だったんでしょう・・・。
神様?