私はいつも指輪をしているのですが、その時は手が荒れていたのでハンドクリームを塗るために一度指輪を外して、テーブルの上に置いたんです。
そしてクリームを塗り終わって、さぁ指輪をつけようとテーブルを見たら指輪が無くなっていたんです・・・。

ほんの2、3分の間に・・・間違いなくテーブルの上に置いたのに・・・。

私は一生懸命探したのですが、私の部屋はとても物が少なく、どこかにあったらすぐに気がつくはずなのに、結局見つからなかったのです。
がっくりしてあきらめた時、ふと昔読んだ絵本を思い出しました。

それは『ある家の床下に小人が住んでいて、住人の持ち物をこっそり盗んでいく』という話だったのですが、それを思い出した私は「まさか小人が盗んだんじゃないでしょうね(笑)」なんて思って、冗談で「ふざけんな!!私の指輪返せ!!」と怒鳴りました。

すると私の後ろから・・・。

チリン・・・。

振り向くと、私の2メートルほど後ろにある襖の前に指輪が落ちていました。
いくらなんでもあんな所に置くはず無いし、探している時に気付かずに蹴っ飛ばしたにしては、襖に当たるまでの時間差がありえません・・・。

その時は妙なこともあるもんだと思うだけで終わったのですが、これ以降、一瞬目を離した隙に持ち物が無くなるということが度々起こるようになり、やはり、怒鳴ったり大声を出すといつの間にか離れた床に落ちているのです。

このことを弟に話したら大爆笑されました。
・・・が、しばらくしたある日、二人で夕食を食べていた時に突然弟が、「姉ちゃんの言った通りだった・・・」と。

私「何が~?」

弟「さっき部屋で美術の作品の仕上げしてたんだけど、さっきまで使ってた青の絵の具が箱に入ってなくて・・・探したけど見つからないから・・・姉ちゃんが言ってた事思い出して、『盗んだ奴がいたら許さねぇ!』って言ったら、タンスの前に誰かが転がしたみたいにコロコロって転がってた・・・」

私「・・・」

まさか家に小人がいるとは思ってませんが・・・。
ただ単に私達兄弟がうっかり者なだけかもしれません(笑)