誰も見てないかもしれないし、たいして怖くもないけれど。

一昨年のこと、実家の居間で窓を全開にして昼寝してた。
すると突然体が全く動かなくなり金縛りに・・・。

私はどちらかというと霊感のある方でいろいろ体験してたりするので、たいして怖くはなく、日常の一部みたいなものでこの時も『早く終わらないかな』くらいの気持ちだった。

ここで少し補足なんだが、実家の開けていた窓の方の庭には砂利が敷き詰めてあり、人や動物が通るとザリって音がする。
ちょうどこの時、外の砂利の音が聞こえた。

だが、何かおかしい。

歩くような音ではなく、何かを引きずるようなザーリ、ザーリ、という音がだんだん近づいてくる。
汗もすごく、これはヤバイ、なんかヤバイってことで金縛りを解こうとした。

その時、耳元で「動いちゃダメ」って少女の声がした。
関係ないが萌声?ぽかった。

えっ、どういうことと思ったが、引きずる何かはもう自分のすぐそばまで来ている。

少女からは嫌な感じを受けなかったので、一か八か、従ってみた。

体を硬直させたままにしていると、その引きずる何かはボソボソとなにかをつぶやきはじめた。

そしてゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。

「・・・レ・・・イ・・・」

「ハ・・・ナイ・・・」

そしてついに私の身体の横に来た。

「ハイレナイハイレナイハイレナイ!」

そして「・・・ハイレナイ」と言いながらその引きずる何かは通り過ぎていき、金縛りも解けた。

少女は助けてくれた、んだと思う。
たまに出会う少女だと思うけど、定かではない。
この件に関しては感謝しているけど、人を金縛りにしておいて私のお腹でダンスするのはやめてほしい。

引きずる何か、はヤマノケに似てると思ったけど、ネットで出てる情報からは引きずるような怪異ではないようなのでこちらもよく分からない。

たいして怖くなくて申し訳ない。