前の会社に居た頃の話。

自分は家系柄、それなりに霊感が強い方で霊が居るか居ないかは気配でわかるため、そういった場所とかには絶対近付かないようにしてる。
だけどどうしても避けれないのが出張で泊まるビジネスホテル・・・。

これが会社指定で予算を安くあげたいため、あまりいい所には泊まれなかった。
でその中で一番恐怖体験をしたのがある。

その出張は1泊2日のもので初日に愛知で仕事を終えて、翌日に三重で仕事があるからその日は三重のホテルに泊まった。
外観が凄い綺麗で正直珍しくいいホテルに泊まれるなって喜んでたが、まあ最悪だった。

今思えばまずホテルでチェックインした時に違和感はあった。
予約をしているとはいえ空き部屋に回されるのはよくあることだが、その時の客層に学生の集団(たぶん部活の遠征?)が居たのになぜかダブルベッドの部屋が余っていて、それが俺に回ってきた。

疲れていたからその時は部屋広いしラッキーだなって思った。
キーを渡されて部屋に向かったんだが、部屋が一番奥の突き当たりにあってそこに向かうと、段々と空気が重くなってるを感じて『あっーこれは居るわ』って思った。

他の出張でも部屋に居るケースはちょいちょい経験してるから、まあいつも通り気付いてないふりでやり過ごせばいいやの認識で部屋に入った。

部屋は見た感じパッと見は綺麗に見えるが空気が凄く淀んでた。
とりあえずメンテナンス。
汚れた身体洗うためにシャワーしてたが、部屋からラップ音が微かにしてたが気にしないようにしてた。

とりあえず出来るだけ部屋に居たくなかったから外に飯を買いにいった。
部屋に戻ってきて明日の準備だけ終わらせてスマホゲームとTVをつけて過ごしてたが、モーニングコール頼むの忘れてたのを思い出した。

部屋にアラームはあるし、携帯のアラームもあるが、出張の時だけは寝坊しないように保険でモーニングコールをしてもらうようにしてた。

この時、電話で予約するのではなく、フロントに行って直接頼めば良かったと本当に後悔してる。

電話の横にモーニングコールの設定の指示があり、それに従ってそこに電話したんだが♯の押し間違えか何かで失敗したんだよね。
そしたら電話越しから「繋がりません」って女性の声が急に聞こえてきた。

あー失敗するとこうなるかと思ってかけなおさなきゃと思い一旦切ろうとしたらその繋がりませんがやたら早口でこだましだした。

これヤバイか!?と思った瞬間に部屋の電気が消えた。
ここの部屋はキーを入り口に刺すと電気がつくタイプ。
キーを抜くか電気を手動で消さないと部屋の電気は消せないが、どちらもしてないのに突然真っ暗になった。
さすがにパニックって電話を切り部屋の電気のスイッチを押したが電気がつかなかった。

仕方がなく部屋の入り口に刺したキーを抜き部屋をでようとした瞬間、『耳元で繋がりません』って囁かれた。

もう心臓飛び出そうになって部屋を出た。
その後部屋に戻りキーを刺したら、電気もついてその夜はTVをつけぱっなしで部屋の電気もつけたまま一睡もしないで過ごした。

というか寝るとヤバイ気がしてたので寝ないようにした。(ラップ音がかなり攻撃的で寝ると危険だと思ったから)

翌日に身体こそきつかったが、無事に仕事を終えて帰りは相方に運転を頼んで車の中で爆睡した。
出張に行って泊まったホテルで寝れなかったのは本当にこの一回きり。
以上で終わりです。