大した話じゃないんだけど、忘れられない経験だったので失礼します。

幼稚園の頃は今とは違って、田舎の団地の1階に住んでた。
団地の目の前はロータリーのある小さい広場になってて、そこでいつもは遊んでた。
ちなみに今もその団地はある。

ある夜中(22~23時くらい)に目が覚めて、外が騒がしかったから部屋の窓から外を見てみたら、祭りの行列?行進みたいなのがあって、「わぁ、お祭りや!」ってワクワクしたんだ。

父と母と姉は居間でTV見てたんだけど、俺はそのまま玄関から外に出で「どんつく、どんつく」「ぴーひゃら、ぴーひゃら」と賑やかな行列の間近まで近づいた。

棒の先に提灯やヒラヒラ舞うモノを付けてワッショイワッショイしてる。
ただ、それを持ってるのが人間じゃなくて、着物を着た鳥みたいなのや、デカいこんにゃくみたいなの・・・。
大きな頭だけのものや、こぶだらけの人みたいなの等。

怖いって感じはしなかったし、こっちには気付いていないっぽかった。
大人になって分かったけど、昔の妖怪絵図にある百鬼夜行、あんな感じ。

この行列はどこまで続いているんだろう?って先を見ると、道は繋がっていないんだけど、行列の明かりがこの先の神社まで続いてた。

「行ってみたいな」って思った時に後ろから、「おい、なんで外にいるんだ!帰ってこい!」って父の声が聞こえて、「あ、帰らなきゃ」って振り返ると、祭りの騒がしさがフッと消えていた。
行列も跡形も無くなってた。

父に「ねぇ、お祭りは?」って聞いても「真冬にそんなもんやらん」だって。
今思えば、夢遊病でもしたのかもしれないけど、今でもよく覚えてる。