学校の寮に住み始めてもう四年目になる。
かなり古い寮で不便だし、汚い。

寮は4つの棟から成っているのだが、どの棟の部屋も造りは大体同じ。
ドアのすぐ上には明り取りのような小さな窓が付いている。

引っ越してきて最初に入ったのは4つの棟の中で一番新しい棟だった。

そこでまず最初に先輩から言われたのが「ドアの上の窓をダンボールか何かで塞ぐように」だった。

「なぜ?」と訊いたら「廊下の明かりが入ってきて寝れないだろうから」とのことだった。

当時は純粋だった私は言われるがままにダンボールを貼った。

その本当の理由を知ったのはそれから何年かしてからのこと。
その棟には「何か」がいて窓を塞がないとそこから覗いてくるのだそうだ。

あれから2年後、別の棟にある今の部屋に引っ越した。
確かに窓をダンボールで塞ぐなんてこと、あの棟の住人以外誰もしていない。