5月の頭に友人と渓流釣りに行った。

割と開けた風光明媚なポイントで、結構釣り客や観光客が来たりする場所なんだけど、今日はいつもより上流まで行ってみよう、てなことになってエッチラオッチラ登ってった。

んで、小さな滝を登ったところに大きな岩盤がせり出してて、その下を水が流れてる場所に出たわけ。

「いいねー、釣れそうだねー」なんて話ながら釣りを始めた。

小一時間くらいたった頃かな?
友人が急に「なんかやばい、周りの空気がおかしい」とか言い出すわけ。

なーに言ってんだこいつは?とか思うッしょ?

でも、「帰ろう!やばいって!」って本気になって言うわけ。

友人はヤマメも釣れたのに、俺はまだハヤくらいしか釣れてなかったから、正直、帰りたくなかった。
でも、友人の様子が尋常じゃない。
俺もだんだん不安になってきた。

「わかったよ。帰るべ」っつって帰り支度始めたら、なんとも・・言い難い臭い・・・動物園?洗ってない犬?Isthis獣臭?

滝を転がり落ちるように落ちて、さっきまで釣りしてた岩盤を振り返った。
出たね。
熊。
口の周りは血?で真っ赤。
マジで小便漏らしたよ。
あまりの迫力に。

脱兎のごとく逃げた。
心の底から感謝した。
友人のシックスセンスに。