知り合いの話。
地元の山でキャンプをしていた時のこと。
夕食後に川面をぼんやり眺めていると、何かがヌッと水を割って現れた。
濃い茶色をした、大きな猫の頭。
子供の頭と同じほどの大きさがあったという。
目と目が合い、しばし見つめ合った後、猫はくるりと身体を回し水中に没した。
綺麗なターンを描いたその身体は、間違いなく人型だった。
地元の山でキャンプをしていた時のこと。
夕食後に川面をぼんやり眺めていると、何かがヌッと水を割って現れた。
濃い茶色をした、大きな猫の頭。
子供の頭と同じほどの大きさがあったという。
目と目が合い、しばし見つめ合った後、猫はくるりと身体を回し水中に没した。
綺麗なターンを描いたその身体は、間違いなく人型だった。
「猫の顔した猿が泳いでた!」
慌てて皆の元へ逃げ帰りそう大声で騒ぐと、一番の年長者がこんなことを言う。
年長者「この辺りには、河猫と呼ばれる化け物が昔から棲んでるんだってさ。一人で川の側にいると、引きずり込まれるって話だ」
誰か「河童みたいに尻子玉でも取られるんですか?」
そう誰かが聞いた。
年長者「いや、内臓だけ喰われて、骸は川下に流し遣られるんだってさ。これから川には一人で近よらないようにしとこう」
慌てて皆の元へ逃げ帰りそう大声で騒ぐと、一番の年長者がこんなことを言う。
年長者「この辺りには、河猫と呼ばれる化け物が昔から棲んでるんだってさ。一人で川の側にいると、引きずり込まれるって話だ」
誰か「河童みたいに尻子玉でも取られるんですか?」
そう誰かが聞いた。
年長者「いや、内臓だけ喰われて、骸は川下に流し遣られるんだってさ。これから川には一人で近よらないようにしとこう」
コメント