小学4年生の時の話です。
当時、斉藤君というとても仲の良い友達がいました。
保育園の頃からの付き合いで、学校ではいつも斉藤君とつるんで遊んでいたように思います。
その斉藤君が、ある日急に学校に来なくなりました。
最初の1日か2日くらいは、風邪か何かで休んでいるのかと思っていましたが、1週間経っても学校に来ません。
さすがにおかしい?と思った僕は先生に斉藤君がなぜ学校に来ていないのか聞いてみました。
先生「ああ、Sなら引っ越して、よその学校に行ったよ」
は?
当時、斉藤君というとても仲の良い友達がいました。
保育園の頃からの付き合いで、学校ではいつも斉藤君とつるんで遊んでいたように思います。
その斉藤君が、ある日急に学校に来なくなりました。
最初の1日か2日くらいは、風邪か何かで休んでいるのかと思っていましたが、1週間経っても学校に来ません。
さすがにおかしい?と思った僕は先生に斉藤君がなぜ学校に来ていないのか聞いてみました。
先生「ああ、Sなら引っ越して、よその学校に行ったよ」
は?
わけが分かりませんでした。
普通、引っ越しとかで転校になる場合って事前に何かしら連絡がありますよね?
ささやかなお別れ会みたいなのもちょっとやったりしますよね?
全く何もなかったんです・・・。
学校に来なくなったその日、すでに斉藤君と家族はどこかへ引っ越していたというのです。
色々と納得がいきませんでした。
学校側から何の連絡もなかったのもありますが、そんな重大な話を、僕にも他の誰にもしないでいきなり居なくなるなんてどう考えてもおかしい。
僕は先生に詰め寄りました。
この先生は斉藤君の親戚にあたる人でしたので、何か事情を知っているはずだと思ったからです。
初めは「うるさい。人の家の事情にあれこれ突っ込むな。どっか行け」と邪険にされましたが、あまりにも僕がしつこいので、根負けしたのか、普段は誰も来ない「生徒指導室」という、いわゆる説教部屋的なところへ僕を連れて行って、全部ではないですが事情を話してくれました。
斉藤君が学校に来なくなった日の前の晩、斉藤君は自宅に置いてある「ある物」を見てしまったらしいのです。
それで、恐らく斉藤君は発狂しました。(先生は「学校に来れんような状態になった」とぼやかして表現していました)
先生が言うには、斉藤君の家には小さな木の机があって、その机には引き出しが1個だけ付いている。
引き出しには、『“ある”ものが写った写真』と、『ある文章が書かれた小さな紙』が入っていて、写真を見て、文章を読んで、その意味するところが分かってしまうと、気が狂うのだそうです。
具体的な内容はもちろん教えてもらえませんでしたが、小学4年生が理解できる程度のものですから、恐らくごくシンプルなものなのだと思います。
僕は、その“机”を1度だけ見たことがあります。
斉藤君とは仲の良い友達でしたので、彼の家にも度々遊びに行っていました。
2階建ての家で、斉藤君の部屋は1階だったので、いつも1階の斉藤君の部屋で遊んでいました。
ある時、いつものように彼の家で遊んでいて、斉藤君がトイレに行きました。
その時ちょうど斉藤君以外の家族は仕事か買い物かで出払っていて、誰もいませんでした。
ふと『そういえばこの家何度も来たけど、2階見たことないなあ』と思いました。
斉藤君が戻ってくるまでの間手持ち無沙汰だったのもあって、なんとなく、興味本位で2階に上がりました。
2階に上がると、階段からそのまままっすぐ廊下が伸びていて、両脇に2つずつドアが並んでいます。
たぶんご両親の部屋とかトイレとか、そういうものだったと思います。
すぐに、おや??と思いました。
廊下の突き当たり、壁になっているところに、小さな木の机がひとつ置いてあるのです。
机の上には何も置かれていませんでした。
『なんであんなところに机が?何に使ってるんだ?』
さらに奇妙だったのは、その机の、おそらく引き出しがあるであろう箇所にガムテープが滅茶苦茶に貼ってあって、その上からマジックで「はがすな」と大きく書かれていました。
えっ・・・なにこれ・・・と、言いようのない悪寒が走りました。
その時、下から斉藤君の呼ぶ声が聞こえて、僕は慌てて階段を降りました。
斉藤君「何しとった?」
僕「ああ、いやーごめんちょっと、2階見学しとった」
斉藤君「2階?なんもないよ」
僕「そうね、でもなんか変な机あったけど」
斉藤君「ああー、あれなんか俺もようわからん。でも触るとお父さんもお母さんも滅茶苦茶怒るけん触らんようにしとる。お前触っとらんよな?」
僕「うん。見ただけ」
斉藤君「ならいいわ。ほれ、戻るぞ」
結局その日は日が暮れるまで普通にファミコンやったりして遊んで帰りました。
斉藤君自身は机の存在とか正体はあまり気にしていない風でしたが、なんとなく怖くて、それ以降斉藤君の家に行っても2階に上がることはありませんでした。
しかし、斉藤君はその机の中身を見てしまったのだと言います。
好奇心に負けてなのか、その“中身”に引き寄せられでもしたのか、ともかくあのガムテープの封印を、両親が見ていない隙に破って、引き出しを開いてしまったのです。
彼が今どこでどうしているのか知る術はありません。
あの「机」が、その引き出しに封印されていた「中身」がどうなったのかももちろん分かりません。
先生も、それ以上のことは自分にも知らされていないから分からないと言っていました。
かつて斉藤君の家があった場所は、今は小さなコインパーキングになっています。
実を言うと僕も本当はもっとヤバい理由で夜逃げかなんかしたんじゃないかと思ってます。
先生も何かの時に斉藤君の家で机を見たことがあって、それを元に適当な怪談めいた話を創作して話しただけかもしれないですね。
どっちにしろもう確かめようがないですが。
普通、引っ越しとかで転校になる場合って事前に何かしら連絡がありますよね?
ささやかなお別れ会みたいなのもちょっとやったりしますよね?
全く何もなかったんです・・・。
学校に来なくなったその日、すでに斉藤君と家族はどこかへ引っ越していたというのです。
色々と納得がいきませんでした。
学校側から何の連絡もなかったのもありますが、そんな重大な話を、僕にも他の誰にもしないでいきなり居なくなるなんてどう考えてもおかしい。
僕は先生に詰め寄りました。
この先生は斉藤君の親戚にあたる人でしたので、何か事情を知っているはずだと思ったからです。
初めは「うるさい。人の家の事情にあれこれ突っ込むな。どっか行け」と邪険にされましたが、あまりにも僕がしつこいので、根負けしたのか、普段は誰も来ない「生徒指導室」という、いわゆる説教部屋的なところへ僕を連れて行って、全部ではないですが事情を話してくれました。
斉藤君が学校に来なくなった日の前の晩、斉藤君は自宅に置いてある「ある物」を見てしまったらしいのです。
それで、恐らく斉藤君は発狂しました。(先生は「学校に来れんような状態になった」とぼやかして表現していました)
先生が言うには、斉藤君の家には小さな木の机があって、その机には引き出しが1個だけ付いている。
引き出しには、『“ある”ものが写った写真』と、『ある文章が書かれた小さな紙』が入っていて、写真を見て、文章を読んで、その意味するところが分かってしまうと、気が狂うのだそうです。
具体的な内容はもちろん教えてもらえませんでしたが、小学4年生が理解できる程度のものですから、恐らくごくシンプルなものなのだと思います。
僕は、その“机”を1度だけ見たことがあります。
斉藤君とは仲の良い友達でしたので、彼の家にも度々遊びに行っていました。
2階建ての家で、斉藤君の部屋は1階だったので、いつも1階の斉藤君の部屋で遊んでいました。
ある時、いつものように彼の家で遊んでいて、斉藤君がトイレに行きました。
その時ちょうど斉藤君以外の家族は仕事か買い物かで出払っていて、誰もいませんでした。
ふと『そういえばこの家何度も来たけど、2階見たことないなあ』と思いました。
斉藤君が戻ってくるまでの間手持ち無沙汰だったのもあって、なんとなく、興味本位で2階に上がりました。
2階に上がると、階段からそのまままっすぐ廊下が伸びていて、両脇に2つずつドアが並んでいます。
たぶんご両親の部屋とかトイレとか、そういうものだったと思います。
すぐに、おや??と思いました。
廊下の突き当たり、壁になっているところに、小さな木の机がひとつ置いてあるのです。
机の上には何も置かれていませんでした。
『なんであんなところに机が?何に使ってるんだ?』
さらに奇妙だったのは、その机の、おそらく引き出しがあるであろう箇所にガムテープが滅茶苦茶に貼ってあって、その上からマジックで「はがすな」と大きく書かれていました。
えっ・・・なにこれ・・・と、言いようのない悪寒が走りました。
その時、下から斉藤君の呼ぶ声が聞こえて、僕は慌てて階段を降りました。
斉藤君「何しとった?」
僕「ああ、いやーごめんちょっと、2階見学しとった」
斉藤君「2階?なんもないよ」
僕「そうね、でもなんか変な机あったけど」
斉藤君「ああー、あれなんか俺もようわからん。でも触るとお父さんもお母さんも滅茶苦茶怒るけん触らんようにしとる。お前触っとらんよな?」
僕「うん。見ただけ」
斉藤君「ならいいわ。ほれ、戻るぞ」
結局その日は日が暮れるまで普通にファミコンやったりして遊んで帰りました。
斉藤君自身は机の存在とか正体はあまり気にしていない風でしたが、なんとなく怖くて、それ以降斉藤君の家に行っても2階に上がることはありませんでした。
しかし、斉藤君はその机の中身を見てしまったのだと言います。
好奇心に負けてなのか、その“中身”に引き寄せられでもしたのか、ともかくあのガムテープの封印を、両親が見ていない隙に破って、引き出しを開いてしまったのです。
彼が今どこでどうしているのか知る術はありません。
あの「机」が、その引き出しに封印されていた「中身」がどうなったのかももちろん分かりません。
先生も、それ以上のことは自分にも知らされていないから分からないと言っていました。
かつて斉藤君の家があった場所は、今は小さなコインパーキングになっています。
実を言うと僕も本当はもっとヤバい理由で夜逃げかなんかしたんじゃないかと思ってます。
先生も何かの時に斉藤君の家で机を見たことがあって、それを元に適当な怪談めいた話を創作して話しただけかもしれないですね。
どっちにしろもう確かめようがないですが。
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