中学3年生のときの話。
もう11年前になります。

当時僕の隣の席はMちゃんという子でした。
とても気さくな子で色んな話を毎日してました。

ある夜僕は夢を見ました。
それは、Mちゃんと二人で学校の下足箱に置いてあるスノコに座って話しるものです。
内容は忘れてしまいましたが、Mちゃんは笑っていたので、たぶん楽しい話をしてたんだと思います。

話も終わり、はぁーって感じでダラーとしてたら、Mちゃんが立ち上がり「じゃあ私行くね」って言いました。

僕も「うん」と言って、彼女が去っていく後姿を見ながらなぜか「あっさよならって言うの忘れた」と強く後悔しました。

そこで、慌てた様子の母親に起こされました。

僕が「何?」って聞くと、「あんたMちゃんて知ってる?あの子死んじゃったよ」と言われ、飛び起きました。

なんでもうちの中学校がニュースに出てて、うちのクラスの担任がインタビューを受けていてびっくりして僕を起こしにきたそうです。

死因は火事。
その日うちの学年はみんなのすすり泣きでいっぱいでした。

葬式が終わり、その帰り道のこと。

連れ3人で田んぼ道をチャリをこいでいたら、1匹の蛍が服についてきました。
ああ、きれいだな・・・と思いながらチャリをこいでいましたが、一向に離れる様子はなく、とうとう家までついてきました。

僕は蛍を手に取り、家の庭に逃がしました。
この辺近くに水辺はないけど、なんとか大丈夫だろうなと思いました。

それから3日間、蛍は夜になると庭で光っていました。
初めはああ、まだいるんだな?程度にしか思っていませんでしたが、だんだん愛着が沸き、3日目であれはもしかしたらMちゃんの生まれ変わった姿(それかお別れに来た)なのではないかと思い始めました。

そう思うといてもたってもいられず、庭に出て蛍に近づくと蛍が寄ってきて手に止まりました。

僕は泣きながら、「お別れに来てくれてありがとう。夢の中で言えなかったけどさようなら。またどこかで会おうね」と告げ、葉っぱに蛍を乗せました。

それから蛍は見てません。
今考えると、ただの思い過ごしだったかなと思いますが、少なくともあの夢は最後に姿を見せるために出てきてくれたんだと思ってます。