休日の朝。
近くの山へ登りに行く兄を見送った。

しかし、夜になっても帰ってこない。

次の日に捜索を開始してすぐ、兄は登山道の入口、そのすぐ脇で亡くなっているのが発見された。

死因は餓死。
手足は骨と皮だけのように痩せ細り、肌はカサカサにひび割れていた。

そして、前日には真新しかった服装が、何ヶ月も経ったかのように朽ちていたという。