私は年始に関西に滞在してた。

ある日、本屋に立ち寄った。
わりと大きな本屋で、駅にも近く、カフェもある本屋。
カフェがあるとなると、当然トイレもある。
外に出る前に行こうと思った。

個室内で衣服を整えた。
ショートブーツだったけれど、その時はたまたま、壁に肩をつけなかった。

ほとんどくせのような物で、ほぼ確実に寄りかかっていたのに、その時は寄りかかっていなかった。
それが幸いした。

ふと右の壁に目をやると、タイルにべっとりと赤い物が・・・。

その赤い物は少し粘着質もあり低い位置についている。

愛用のコートに見も知らぬ他人の経血が付くところだった。