昔、俺は虐待を受けて育ったんだが、小学校低学年から高学年の頃だったか、現状にどうしても耐え切れなくなって、家を飛び出した。

ちなみにその時は市営団地に住んでいたんだが、団地内をブラブラしていると、明らかに団地内の地図にはない空間に辿り着いてたんだ。
(俺自身物心ついた時から住んでる団地なので、そんな場所がないと分かってた)
そこはお世辞にも綺麗とは言えない場所だったが、少し古びたソファーと机、その他『廃棄されたと思わしきもの』が多々あって、疲れていた俺はそこで眠ったんだ。

しばらくして目が覚めると(個人的には数時間程度眠ったつもりだったが)、周囲は真っ暗で(エレベーターが止まっていたことから、おそらく深夜過ぎまで)、俺はなぜか団地内の階段の踊り場に居たんだよ。

その後も、家庭が落ち着くまでの数年間、どうしても辛い時にブラブラしていると、何度かその場所に行けることがあったが、虐待事情などが解決すると、なぜかそこには行けなくなっていた。

いったい俺が行っていた場所は何なのだろうか。

最近読んだ怪談話でたとえるなら、『隠れ里』というのが一番しっくり来る表現だけど・・・。