隣に住む咳払い爺。

自分がニートすなわち無職になった頃から、隣に住む年金生活のヒキコモリ爺が頻繁に咳払いするようになった。

あまりにも咳払いしてくるのでムカついて咳を合わせるように仕返しした。
これがきっかけとなり爺の咳払いが更にエスカレート。

毎日爺の部屋の窓は程よく開けられていて、トイレ鳴がす音、シャワーの音、笑い声、玄関の開け閉め音、洗濯機の音、冷蔵庫の開け閉め音、などに合わせるように咳払いされるストレスの日々が続いた。

尋常じゃないほど物音や声に合わせ咳払いしてくる。
唸る咳というか吠えてくる犬のように。

普通の咳払いとは違い、ゲ◯吐く時のワザとらしい感じ。

「ウォエエエーエッヘエッハっ」

頭に響く低音でう~んうっう~んみたいな。

そんな気が狂いそうな毎日が続いて一つわかったことがある。

音や声が筒抜けなのだということに、鈍い私もようやく気付いたのです。

私たち家族の全てを聞かれていた・・・。

大声で泣いた日、喧嘩した日、深夜のドアガチャの音、近所の悪口や、バカ電話してる声、爺に全て筒抜けの丸聞こえだったのだ。

考えれば考えれるほどこの家に産まれてから
ずっと爺に監視されてたのではないか?と恐怖に陥り、今は隣部屋に住む爺から一刻も早く立ち去ることのみで働いている。