姉から聞いたんですが、20年ほど前、当時俺4歳で姉が6歳、団地に住んでた頃の話です。

団地の裏手に山があって、山姥や天狗やお化けが出るから行くなと大人から言われてたそうです。
ダメと言われても行くのが子供、団地の子供達数人で肝試しに裏山に登ることになりました。

俺は年長のお姉ちゃん達に代わる代わるおんぶや抱っこをしてもらって、ニコニコしてたそうです。

しばらく歩くと、誰かが「なんかおるよ~」と指差して言うので、みんなでその方を見ると白い何かが居たそうです。
姉には白い着物に白い鉢巻の若い女性に視えたと、目が合って睨まれたとも言ってました。
みんな怖くて無言で走って逃げたそうです。

俺はお姉ちゃんに抱かれて後方を見ながら指差し、「いっためん!いっためん!」と嬉しそうに言ってたそうです。

そんな俺を見て姉が振り返ると、その女が空中に浮いてついて来てたので、さらに怖くなり泣きながら全力疾走したそうです。

逃げ切って団地の公園に着き、見たものを話し合ったけど、皆それぞれ見たものが違ってたり、何も見えなかったけど怖かったと言う子もいたそうです。

その日の夜、二階の子供部屋で寝ていると俺が窓を指差して「いっためん!いっためん!」と言い出したので、姉は窓を見ないようにして、俺を両親の居る一階に連れて行き大泣きしたそうです。
それで両親に裏山に行ったのがバレて怒られ、山に登った子達は神社でお祓いして頂いたそうです。

姉はTVでゲゲゲの鬼太郎を見ては「いっためん!いっためん!」と言う俺の声に怯える日々を過ごしたと言ってました。

俺は当時のことは覚えてませんが、今でも目玉おやじと一反木綿とぬりかべが大好きです。