8月9日に祖父がなくなった時のこと。
11日に通夜を終え、12日の告別式の朝起きると、親父と伯父さん、区長さんが口をそろえて妙なことを言っていた。

「昨日のアレなんだったんだろうなぁ。夜中3時半くらいか?乾いた綺麗な音で、コンコンコンって音がしたんだよなぁ」

詳しく親父に聞いてみると、真夜中の3時半に突然頭の上(2階ではなく、頭を向けている方)で、凄く綺麗な乾いた音が3回鳴ったらしい。
通夜で疲れていて爆睡してた親父、叔父、区長さんが一斉に目を覚まして、外に出てみたが当然誰がいるわけでもなく、さらに、近くの窓やふすま、壁や柱などを叩いてみたが、その音と同じ音は全く鳴らず、結局原因が分からないとのことだった。

その話を朝食中に亡くなった祖父の息子さん(喪主)に話すと、「2階のソファをいじるとベッドになるんだけども、それをいじったんで音が鳴ったんだ」と言い、皆もそれが原因かってことで話がまとまった。

けれど、その後告別式のために着替えてる最中、うちの親父は、「あの音は2階なんかでなってない。間違いなく頭の上から聞こえた。それに、何よりそういった音じゃない。本当に綺麗な音だった。それとな、お前らが起きる前に別の部屋にいるばあちゃんに、“寝られたかい?”って聞いたら、“怖い”って言うんだよ。“何が怖かった?”って聞いたら、“見える”って言ってたんだよな」と、真剣な顔で話してくれた。

クモ膜下出血で倒れてしまい、下半身不随で俺の顔も名前すらも分からなくなってしまっているばあちゃんに“見えた”のは、きっと祖父だったんじゃないかと思います。

祖父はとても厳しい人で、頑固で我儘だった人と聞いていたけど、ばあちゃんを凄く大切にしていたので、そばにいたかったのかもね。

じいちゃん。
じいちゃんがばあちゃんの倒れた後、毎日病院に通って意識の戻らないばあちゃんの足をマッサージし続けてくれたおかげで、ばあちゃんは来月から一人で歩ける練習をするようになれるくらい元気に回復しています。
本当にありがとう。

いつかまた田舎に帰ったら、じいちゃんの好きな「わかば」のタバコを持って、じいちゃんの顔を見に行くから、楽しみに待っててください。