ついこの前の話。

塾講師をしているんだが、夏期講習中は忙しく、会議やらテスト作成やらで帰るのが遅くなってしまった。
塾を出たのは2時過ぎだったかな・・・。

自分が働いている塾は市の郊外にあり、帰りは鬱蒼とした山道を通らないといけない。
民家もなく、ちょっと怖いがその道しかないので山道を使っていた。

その日もいつも通り車を走らせ帰宅していたんだが、山道の半分くらいに差し掛かったとき、霧が出てきた。

あれ・・・?霧だ・・・。

なんて思っていたら、その霧の中から男の人がすーって飛び出してきたんだ。
パーカーを着た20代くらいの人が、車の目の前に。
慌てて急ブレーキを踏んで車を止めた。

どうしよう、人轢いてしもうた・・・とか、警察呼ばないと・・・とか、考えながら車を降りて辺りを見たんだが誰もいない。
車が何かにぶつかった痕もない。

霧はいつの間にか晴れていて、10メートルくらい先の道路脇に花束が供えてあるのがヘッドライトで見えた。

もしかしたら事故で亡くなった人だったのかもしれない。

・・・というかこんなことがあったので、今日はちょっと怖い。