まだ10代の頃の話。

毎晩その当時付き合ってた彼女と朝方までドライブしてたんだ。
いつもどおり朝5時頃に帰宅して駐車場に車停めてたら、駐車場の隅のほうに黒い影みたいなのがいたんだよね。

この頃ってか昔から霊感的なものはあって、ちょこちょこ霊みたいなのは見えてた。(20代に入ってなくなったんだけど)

車から降りるとこっちに近寄ってきたけど、特に気にすることもなく家に入った。
家に入ると霊感の“れ”の字もない彼女が黒い影見たって言ったからそれには驚いた。
同じもの見たんだろうねーなんなんだろうねーって話してそのまま寝た。

朝10時頃だったかな?

親が慌ただしく俺の部屋に入ってきて「そこの公園で死体が見つかったって!!」って大騒ぎしてた。

外に出てみると大量のパトカー、公園には人が群がってて。
その頃他人に対してかなり無関心だったのもあり、「あっそ」って言って部屋に戻って2度寝した。

完全に昼夜逆転してたので、夕方に起きて晩御飯を食べてその日もドライブにでかけた。

海の方に向かって30分くらい走ったかな。
国道とぶつかる大きな交差点で信号待ちしてたんだよね。
自分の前を通り過ぎる車をぼーっと見てると、一台のトラックの上で昨日見た黒い影が手を振ってるんだよ。
これは俺にしか見えてなかったみたいなんだが、その時直感みたいなものが働いて
、あの黒い影は公園で見つかった人でトラック運転手に殺されたんやろなって思った。

それを彼女に伝えると、どこか適当に聞いてる感じがあった。
まぁ普通そうだよなーって思いながら海に着いたんだけど、車停めて降りたらまた黒い影がいんの。

しつこいなーと思いながら周り見てみると黒い影増えてんの・・・。

結局黒い影3人?に増えててずっと俺と彼女の周りをふわふわ飛んでるんだよね。
もしかして3人も殺したんかなーとか考えたけど、俺にしてやれることないしなーって考えて、ずっとふわふわされてめんどくさいから家に帰ることにした

早めの帰宅になって早めに寝て翌朝に起きたら家のチャイムが鳴った。

最初は新聞記者だったかな「何か知りませんか?」と。
一応その時間外に出てて帰ってくる途中に不審者はいなかった~とか伝えて信じてもらえないだろうけど、『黒い影の話もしてみた。犯人もトラック運転手じゃないか』って伝えたけど案の定「は、はぁ?」みたいな反応された。

その後警察、TV局も来て聞き込みと取材をしていった。
同様なことを伝えたけど相手にしてもらえなかった。

まぁ当然だよねま。
だ子供だったし、見た目も見た目だったしオカルト的だし・・・。

んでまぁうちの車が目撃されてたりして警察署に聴取されにいったりして、ちょっと面倒だった。
この間たまに黒い影には遭遇してたけど特になにもなかったので割愛。

事件が起きて1ヶ月くらいだったかな。
犯人が逮捕されたニュースが流れた。

「土木作業員を殺人容疑で逮捕」

あれだけ自信満々だったのに全然違ったwww
とか恥ずかしい気持ちもあったけどニュースを見てたら「犯行当時トラックの運転手をしていた容疑者は金品目的で◯◯さん(被害者)を車の中に押し込み殺害したと供述」

「同じ手口の事件が他に2件あり関与の可能性が高い」

そうキャスターが読み上げたら彼女と家族が俺から遠ざかってくのを感じた。

犯人が捕まってから黒い影に遭遇することはなくなった。
ごめんね、何もしてあげられなくて。